2010 Fiscal Year Annual Research Report
抗核抗体の産生制御によるタイプIインターフェロンの変動と制御性T細胞の誘導
Project/Area Number |
22591091
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 隆夫 京都大学, 医学研究科, 准教授 (70255462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯川 尚一郎 京都大学, 医学研究科, 助教 (90422972)
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Keywords | インターフェロン-α / インターフェロン-β / 肺血管内皮細胞 / 肺微小血管内皮細胞 / 肺高血圧症 / ケモカイン |
Research Abstract |
全身性エリテマトーデス(SLE)ではタイプIインターフェロン(IFN)であるIFN-αが病因的サイトカインとして注目されている。とくにSLEで高頻度である抗U1RNP抗体などRNA-binding proteinに対する抗体が免疫複合体を形成し、plasmacytoid dendritic cellsに取り込まれ、IFN-αの分泌を刺激することが示されてきた。一方で、抗U1RNP抗体陽性例では肺動脈性肺高血圧症(PAH)が高頻度であり、その関連が指摘されてきたが、抗U1RNP抗体のPAHに対する病原性は示されていない。本年度はin vitroにおいて、肺動脈血管内皮細胞および肺微小血管内皮細胞に対してIFN-αあるいはIFN-βと共培養(0.1、1、10ng/mL)し、PAHの病態に関与するとされるRANTES、フラクタルカイン、MCP-1が刺激されるかどうかを調べた。その結果、RANTESとフラクタルカインではIFN-αにくらべてIFN-βが有意に強く刺激された(mRNAおよび蛋白レベル)のに対し、MCP-1はほぼ同様に刺激されていた。さらに肺微小血管内皮細胞では肺血管内皮細胞に比し、フラクタルカインが強く誘導される傾向があった。なおこれらの細胞ではタイプIインターフェロンに対するレセプターの発現が認められることも確認した。来年度以降、他の血管内皮細胞に対する影響を調べる予定である。さらに肺高血圧症動物モデルにおける抗核抗体、タイプIインターフェロン、またTregとの関連を明確にすることを考えている。
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Research Products
(4 results)