2010 Fiscal Year Annual Research Report
ラッセル・シルバー症候群におけるエピジェネティック機構の解明
Project/Area Number |
22591146
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
吉橋 博史 慶應義塾大学, 医学部, 共同研究員 (60286531)
|
Keywords | ラッセル・シルバー症候群 / オリゴDNAアレイCGH法 / エピジェネティック / 子宮内発育遅延 |
Research Abstract |
ラッセル・シルバー症候群は、子宮内発育遅延、出生後の低身長、逆三角形の特徴的な顔貌を主徴とする症候群である。30%の症例は、エピジェネティック機構に異常を認めるが、およそ60%の症例は、原因を特定できていない。本研究では、(1)子宮内発育遅延、(2)診断時低身長、(3)逆三角形の顔貌、(4)第5指内彎、(5)左右非対称のうち3項目以上を満たす(Priceら診断基準)症例を対象に、オリゴDNAアレイCGH法および遺伝子点変異スクリーニングを用いて、ラッセル・シルバー症候群をプロトタイプとする子宮内発育遅延とエピジェネティック異常における発症機構の解明をめざしている。現在、検体集積は26例まで達しているが、目標検体数40例をめざし、今後も小児医療関連施設を中心に、引き続き研究協力を呼びかけてゆく必要がある。マイクロアレイ・デザイン用ソフトウェア(Agilent社のeArray)を用いて、既報のラッセル・シルバー症候群責任領域を標的領域とする、スクリーニング解析に特化したカスタムオリゴアレイを設計した。ゲノム全域に対し約18万個のプローブ(SNP領域プローブおよびCGHプローブ)でアレイをカバーするよう、合成DNAプローブをスライドガラス上に配置した。設計したカスタムオリゴアレイに対し、コントロール検体を用いたバリデーションを開始している。また、近年、ラッセル・シルバー症候群と同じ責任領域に微細構造異常を伴う、過成長を主徴とするベックウィズ・ウィードマン症候群が示されており、この点についても同カスタムオリゴアレイのパフォーマンスを検証中である。
|