2012 Fiscal Year Annual Research Report
ラッセル・シルバー症候群におけるエピジェネティック機構の解明
Project/Area Number |
22591146
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
吉橋 博史 慶應義塾大学, 医学部, 共同研究員 (60286531)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | ラッセルシルバー症候群 / 子宮内発育遅延 / オリゴDNAアレイCGH |
Research Abstract |
ラッセル・シルバー症候群は、出生前後の成長障害、低身長、相対的大頭症を伴う逆三角形の顔貌を特徴する症候群である。既知の発症原因として、11p15領域に存在するメチル化可変領域の低メチル化、7番染色体母性片親性ダイソミー(mUPD7)など、約40%の症例でエピジェネティック異常が認められる。一方、約60%の症例では発症原因は不明である。本研究では従来検出不可能であった微細ゲノム異常を検出するため、独自にオリゴDNAアレイCGH(CGH+SNPアレイ)を設計し、微細ゲノム異常領域に含まれる遺伝子群の詳細な解析を通じて、エピジェネティック異常とラッセル・シルバー症候群の発症機構の解明をめざした。[対象・方法]Priceらの診断基準のうち3項目以上を満たし臨床診断された30例を対象とした。既報告および成長と関連する遺伝子を含む領域を中心に、責任領域の可能性がある領域に対して優先的にオリゴDNAプローブを搭載し、加えて60塩基程度の合成DNAプローブをゲノム全領域に計6万個程度配置した。[結果]有意な微細ゲノム異常を示唆する領域を同定できなかった。mUPD7と考えられた症例の検出は可能であった。ラッセル・シルバー症候群様の身体的特徴を示し、他の症候群も疑われた対象症例の一部で、当該遺伝子解析により、成長障害を主徴とする他の疾患(MULIBREY nanismなど)が遺伝子診断された。[考察]ラッセル・シルバー症候群では、ゲノム構造異常で発症する症例の割合が高くない可能性が考えられた。臨床像の酷似する他の症候群が対象症例に含まれていたことは本症の遺伝的異質性の高さを示している。成長障害を主徴とするラッセル・シルバー症候群様疾患に対する、種々の既知責任遺伝子における遺伝子変異の有無について、次世代シーケンサーを用いたターゲットシークエンス解析などを併用する必要性が考慮された。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(1 results)