2010 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカインストームと細胞エネルギー不全の連関―RANBP2を通じた解明
Project/Area Number |
22591176
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 真木子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20225733)
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Keywords | 急性壊死性脳症 / RANBP2 / GST融合蛋白 / COX11 |
Research Abstract |
従来、欧米における家族性反復性急性壊死性脳症においてRANBP2遺伝子の点変異の報告があるが、日本人症例では解析されたことはない。そこで日本人急性壊死性脳症患者20例についてRANBP2遺伝子変異の有無を検索した。欧米の症例で認められたロイシンリッチドメイン内のエクソン12および14の点変異は、今回対象となった20例には見出せなかった。そこで、さらに他のドメイン内まで解析の範囲を広げ、現在までに全29エクソン中、25エクソンの直接塩基配列解析が終了した。これらのエクソンにも変異は認めなかった。現在、残りのエクソンの解析を続行中である。欧米の急性壊死性脳症と日本人急性壊死性脳症には家族内発症の有無、反復性、病変の分布などに違いがありRANBP2遺伝子解析の結果からも両者の遺伝的背景は異なる可能性が高いと考えられた。RANBP2との結合によりミトコンドリアの糖代謝を調節することが報告されたCOX11遺伝子の変異のスクリーニングを行って欧米の症例とは異なる遺伝的背景の検索を行った。COX11億伝子変異は今回対象の20例では検出されなかった。 また、イタリア人症例1例の解析でThr585Metのヘテロ接合点変異が明らかとなった。この変異RANBP2遺伝子による蛋白機能解析を行う目的で、GST融合蛋白を構築した。変異により、RANBP2蛋白とミトコンドリアの電子伝達系に関わるCOX群蛋白との結合に変化がおこるかどうかを今後検討し、急性壊死性脳症の病態解明を進める。
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Research Products
(6 results)