2011 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカインストームと細胞エネルギー不全の連関―RANBP2を通じた解明
Project/Area Number |
22591176
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 真木子 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20225733)
|
Keywords | 急性脳症 / HLA / サイトカインストーム |
Research Abstract |
急性壊死性脳症(ANE)は本邦始め東アジアで報告が多く、発症に地域的格差がある。またANEの主病態として感染後のサイトカインストームによる脳神経細胞死、多臓器障害が推測されており、感染を契機とした免疫応答に関わる免疫遺伝的背景の関与が推測される。本研究では日本人ANEの免疫遺伝学的背景を明らかにすることを目的としてHLAタイピングを行った。日本人ANE24症例(発症年齢8ヶ月-9歳7ヶ月、男児10例、女児14例)を対象とした。末梢血よりDNAを抽出。HLA クラスI(HLA-A、-B、-C)、HLA クラスII(-DQB1、-DRB1、-DPB1)のタイピングを行い、公益財団法人HLA研究所の日本人HLAデータベースと比較した。HLA解析:HLA-DQB1 *03:03のアリル頻度27.08%(p=0.042)及びHLA-DRB1 *09:01のアリル頻度27.08%(p=0.020)で有意な関連があった。さらに欧米で報告されている家族性ANE (ANE1)原因遺伝子のRANBP2の変異ホットスポット以外のすべてのエクソンの直接塩基配列解析を行い、変異が無い事を確認した。以上からANEとANE1は遺伝的拝啓の異なる疾患群であることが明らかとなった。今後サイトカイン遺伝多型など、病態から推測される候補遺伝子について解析し、ANE発症のメカニズムを明らかにしていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ANE1の原因遺伝子の変異タンパクーGST融合タンパクの大腸菌における誘導の条件の最適化に時間を有するため。 RAMBP2遺伝子解析のシークエンスに際し、TAクローニングが必要となり、当初の直接塩基配列より時間がかかっため。
|
Strategy for Future Research Activity |
GST 融合タンパク合成の条件を決定し、binding assayに用いるたんぱく質をラージスケールで精製して、機能的解析を進める。 サイトカイン遺伝子多型を検索し、正常群との比較を行う。
|
Research Products
(6 results)