2011 Fiscal Year Annual Research Report
先天性心疾患の責任遺伝子の同定と心臓幹細胞を用いた機能解析
Project/Area Number |
22591181
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
檜垣 高史 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (60253308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 真理子 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40420781)
江口 峰斉 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50420782)
鹿田 文昭 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教(病院教員) (90457359)
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Keywords | 先天性心疾患 / 心筋 / 遺伝子異常 / MLPA法 / FLK1陽性細胞 |
Research Abstract |
(1)先天性心疾患症例の病的心臓組織の採取と収集 先天性心疾患の手術時に、必要な同意を得た上で切除された心臓組織の一部を採取し、凍結保存している。これらの組織よりDNA、RNAを抽出し、心臓組織形成に関与する遺伝子の異常の有無に関して検討を進めている。 (2)心組織での遺伝子異常の解析 今までに先天性心疾患症例の解析で遺伝子異常が報告されている遺伝子や、心筋細胞、血管内皮の分化・形成に重要な遺伝子に関して遺伝子異常の有無を検討している。各遺伝子の全てのエクソンについて、PCRで増幅後、直接シークエンス法にて点突然変異の有無を検討するとともに、可能なものについては、MLPA法や定量PCR法などで、エクソン単位の欠失や増幅などの異常の有無のスクリーニングを進めている。現時点で心臓分化に重要な遺伝子に変異を同定し、この変異の持つ意義に関して解析を続けている。 (3)末梢血よりのFLK1陽性細胞の分離 末梢血中に存在する血管内皮前駆細胞であるFLK1(KDR)陽性細胞を分離・採取する方法の確立を試みた。血管損傷時に骨髄よりのFLK1陽性細胞の血中への動員が増加するため、まず心臓カテーテル検査後の末梢血を用いて検討を進めている。末梢血中のFLK1陽性細胞の頻度は非常に低く、末梢血をから回収したFLK1陽性細胞より解析に十分な量のDNAを採集することは困難である。そのため、短期間のVEGFを添加した培養により、末梢血中のFLK1陽性細胞の維持、増幅を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
末梢血よりのFLK1陽性細胞の分離、解析に当初予定していた方法の改善が必要であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)先天性心疾患症例の病的心臓組織の採取と収集 根治手術が必要な先天性心疾患の手術時に、必要な同意を得た上で切除された心臓組織の一部を本研究用に利用し、DNAやRNAを抽出するとともに一部を凍結保存する。可能な限り多くの症例での心臓組織の採取を継続する。 (2)梢血よりのFLK1陽性細胞の分離 先天性心疾患症例の末梢血を採取し、FLK1とその他の血管内皮細胞特異的な細胞表面マーカーを用いてFLK1陽性細胞(あるいは血管内皮前駆細胞)をFACSで分離し、回収する。FLK1陽性細胞を増幅するために、VEGFを用い、Collagenプレート上で培養する。 (3)遺伝子変異、遺伝子領域の欠失、転座などの異常の有無の検討 得られた心臓組織あるいは末梢血から分離・回収したFLK1陽性細胞からDNA、RNAを抽出し、心臓形成に関与する各遺伝子の遺伝子変異・欠失の有無をPCR、シークエンス解析やFISH法などにより検討する。
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Research Products
(11 results)