2010 Fiscal Year Annual Research Report
小児起立性調節障害の新しいサブタイプの同定と、新治療法の効果に関する研究
Project/Area Number |
22591194
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
田中 英高 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (90188326)
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Keywords | 起立性調節障害 / 脳血流低下型 / Hyper response型 / 起立直後性低血圧 / 体位性頻脈症候群 / 遷延性起立性低血圧 / Finometer / 近赤外分光計 |
Research Abstract |
【研究方法】新しいサブタイプを同定するために、OD症状を持つ小児に対して、Finometerにより連続血圧心拍、心拍出量、末梢血管抵抗、およびNIRSにより酸素化ヘモグロビン(Oxy-Hb)、脱酸素化ヘモグロビン(deoxy-Hb)を測定し、すでに申請者ら報告した健常児の基準値と比較し、その異常頻度を検討する。また、新規購入するのMemCalcを用いて連続血圧心拍の揺らぎをパワースペクトル解析し、ODの各サブタイプの自律神経機能を評価する。 【結果】大阪医科大学附属病院にODの診断・治療を希望し、同意した患児。 2006年8月から2010年12月まで受診した478名を対象とした。 (1) 起立性調節障害の新しいサブタイプ(Hyper Response Type、および脳血流低下型)の診断基準を決定した。 (2) OD症状を訴える子どものサブタイプ分類の頻度(478名中、括弧内は%) 日本小児心身医学会小児起立性調節障害診断・ガイドラインにしたがって、起立直後性低血圧、体位性頻脈症候群、遷延性起立性低血圧、神経調節性失神の分類を行い、さらにこれに該当しない症例をHyper Response Typeと脳血流低下型の基準に従って診断した。その結果、以下のような頻度となった。起立直後性低血圧109名(22.8%)、 体位性頻脈症候群99名(20.7%)、遷延性起立性低血圧24名(5.0%)、Hyper response型45名(9.4%)、脳血流低下型27(5.6%)、正常反応174(36.4%) 【結論】以上より、新しいサブタイプが起立性調節障害の15%を占めることが明らかになった。
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Research Products
(11 results)