2010 Fiscal Year Annual Research Report
周生期ストレスと生活習慣病発症機序に関する研究-脳と脂肪組織のクロストーク解析-
Project/Area Number |
22591203
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
三木 崇範 香川大学, 医学部, 准教授 (30274294)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
割田 克彦 香川大学, 医学部, 助教 (40452669)
太田 健一 香川大学, 医学部, 助教 (50403720)
横山 俊史 神戸大学, 農学研究科, 助教 (10380156)
日下 隆 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (50274288)
竹内 義喜 香川大学, 医学部, 教授 (20116619)
|
Keywords | 周生期ストレス / 脳 / 脂肪細胞 / 生活習慣病 / 環境-遺伝子相互作用 / DNAメチル化 / 脳発達 / エピジェネティク |
Research Abstract |
1.母仔分離ストレス曝露モデル動物の作成と試料採取 申請者ら(Kuma et al.,2004)が確立した母仔分離モデル動物の作製法に準じてモデル動物を作製した。2-20日齢まで、9:00-12:00と13:00-16:00の3時間の母仔分離を1時間の間をおいて、2回行った。モデル動物の脳の組織と脂肪組織を採取した。母仔分離した動物の栄養状態の評価をtotal protein、albumin、total-cholesterol、transferin、pre-albumin、retino-binding proteinなどを指標に行った。このうち代謝サイクルの早い後者には、コントロール動物と比較して有意差を認めなかった。従って、母仔分離による低栄養の影響は除外できるものと考えられる。しかしながら、体重比較では、母仔分離群は低体重を呈し、これは日齢を経るにつれて著明となった。この体重の差異は、周生期(脳発達期)のストレスの影響と云える。実際、母仔分離期間中の血中コルチコステロン値は、母仔分離群において有意に上昇していた。 2.モデル動物の脳の分子生物学的解析 本年度は、脳の分子生物学的解析を集中的に行った。NeurotrophinのうちBDNF(Brain Derived Neurotrophic Factor)とその受容体TrkBのReal-time RT-PCR解析を行った。母仔分離期間中の海馬おいては、リガンドのBDNFは一時的に減少するが、その後コントロールレベルまで回復する結果を得た。受容体TrkBには、母仔分離期間中に有意な変動は認めなかった。脳発達期におけるBDNFの発現レベルの変動は、神経発達に影響をもたらすことが予想されるため、神経細胞の棘突起の変化に着目して同様にLimk-1の解析を行ったが有意な変化を認めることは出来なかった。
|