2011 Fiscal Year Annual Research Report
ダブルノックアウトマウスを利用したアトピー性皮膚炎モデルマウスの作製
Project/Area Number |
22591240
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
米田 耕造 香川大学, 医学部附属病院, 准教授 (60260626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 泰夫 香川大学, 医学部, 教授 (10126047)
中井 浩三 香川大学, 医学部, 助教 (40363204)
荒木 伸一 香川大学, 医学部, 教授 (10202748)
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Keywords | ロリクリン / フィラグリン / ノックアウトマウス / アトピー性皮膚炎 |
Research Abstract |
アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰り返す、掻痒の強い湿疹病変を主とする難治性皮膚疾患である。現在では、個人にフィラグリン遺伝子の異常が存在すると、表皮のバリア機構が破綻を来たし、起炎物質が、表皮内に容易に侵入し、持続性のアトピー性皮膚炎という慢性アレルギー性炎症が生じると考えられている。また、フィラグリン遺伝子に機能喪失変異が生じると、最も頻度の高い皮膚角化異常症である尋常性魚鱗癬が生じる。他方ロリクリンもフィラグリンと同様、表皮角膚細胞の辺縁帯すなわちコーニファイドセルエンベロープ(cornified cell envelope : CE)の主成分である。ロリクリンは、CEの約70%を占める(皮膚のバリヤ機能上)重要なタンパク質である。現在ロリクリンがアトピー性皮膚炎において果たしている役割については、現時点では何も判明していない。本研究の目的は、アトピー性皮膚炎の動物モデルを作製し、その病態に関与するロリクリンの果たす役割を解析し、その治療薬を探索することである。今年度は、ロリクリンノックアウトマウスの作製を行った。129Svゲノムライブラリーより、マウスロリクリンgDNAをスクリーニングした。ターゲティングベクターの構築を行い、ES細胞にエレクトロポレーションを行ない、その後薬剤耐性選択を行った。薬剤耐性のES細胞に対しさらに、PCRスクリーニングを行い、相同組換え体を同定した。上記で得られた陽性ES細胞クローンを仮親の8細胞期胚にマイクロインジェクショシした。得られたキメラマウスの飼育と交配を行った。毛色で判断してES細胞由来の子孫マウス(F1)が得られたらPCRで、ジャームライン・トランスミッションを確認した。F1ヘテロ変異マウス同士を交配させ、F2ホモ変異マウスを得ることに成功した。現在は、フィラグリンが欠損しているflaky tailマウスと交配中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
flaky tailマウスを交配させても、雌マウスが妊娠しにくく、flaky tailマウスのコロニーを増やすために時間が掛かったが、それ以外は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
われわれのダブルノックアウトマウスを用いた実験により、ロリクリンがアトピー性皮膚炎の原因遺伝子となり得ることが示唆されれば、日本人アトピー性皮膚炎患者のロリクリン遺伝子の全コーディング領域の配列を解析する予定である。
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Research Products
(1 results)