2011 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺未分化癌細胞株の樹立と分子標的薬剤併用による抗癌剤耐性克服の基礎検討
Project/Area Number |
22591439
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小野田 尚佳 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (30295703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 哲郎 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (50193280)
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Keywords | 内分泌外科 / 甲状腺癌 / 細胞株樹立 / 分子標的治療 |
Research Abstract |
本研究では甲状腺未分化癌細胞株を樹立、細胞の性質を明らかにするとともに、抗癌剤耐性機構の解析、新たな治療アプローチとしての分子標的薬剤併用による耐性克服の可能性について基礎的研究を行っている。 昨年度に7株の甲状腺未分化癌細胞株(OCUT-1C,-1F,-2~6)を樹立した。染色体分析からヒト由来であること、染色体の多彩な異常が認められることが確認できた。mRNAの発現解析から甲状腺由来を確認し、DNAの解析から甲状腺癌に高頻度で認められるB-raf,N-rasの変異を確認したが、同様に未分化癌に多いとされるp53遺伝子の変異は確認されなかった。細胞毎に増殖能やサイトカイン、増殖因子の分泌能に差があることも確認できた。以上より、それぞれが固有の性質を持つ、ヒト甲状腺未分化癌由来の細胞株であることが示された。臨床的背景が明らかな甲状腺未分化癌細胞株は稀少であり、日本内分泌外科学会の会誌(内分泌外科)で論文発表した。 抗癌剤の感受性の検討からは、臨床所見に合致する耐性の存在が示された。すなわち、抗がん剤投与後に採取された組織から得られたOCUT-3では、症例に投与されたCDDP,Doxorubicinに対する耐性の獲得が示された。また、細胞間で感受性に10-20倍の差があり、特にgemcitabineでは最大100倍の差が認められた。現在、mTOR阻害剤、VEGF,EGFRのdual inhibitorを用いて耐性克服の検討を開始している。 テロメラーゼの発現と抗癌剤耐性の関連に関しては、外部委託の結果を待っている。 現在さらに4株を初代培養中であり、うち2株はDocetaxe1による化学療法の前後に採取された組織より得られた細胞、2株は同一腫瘍から得られた形態の異なる細胞である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗癌剤感受性に対する検討は進んでいる。テロメラーゼ、EGFRの発現についての検討は、結果待ちの状態であり、分子標的薬の効果については一部結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り進める。さらに4株の樹立をめざす。また、同一腫瘍から得られた、遺伝子的にきわめて近い2種類の亜株を2組樹立できる見込みである(OCUT-1CとF,OCUT-7CとF)。これらは形態的に大きく異なっており、未分化癌の発生・進展との因果関係についての検討が行えるのではないかと研究方法を模索している。基本的性質の解析を行うとともに、網羅的遺伝子・プロテオーム解析が候補として挙がっている。
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Research Products
(9 results)