2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本人における直腸肛門機能検査および超音波検査の正常範囲
Project/Area Number |
22591490
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
味村 俊樹 高知大学, 医学部附属病院, 特任教授 (20262131)
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Keywords | 便失禁 / 排便障害 / 直腸肛門機能検査 / 肛門超音波検査 / 正常値 |
Research Abstract |
「研究の目的」本邦において高齢化に伴って増加しつつある便失禁の適切な診療には,その原因としての病態を正しく診断することが重要である.そのためには症状・既往歴に加えて直腸肛門機能検査による機能的評価と肛門超音波検査による構造的評価が不可欠である.しかし,これらの検査結果や数値の正常範囲に関して日本入を対象とした研究は皆無である.本研究の目的は,日本人における直腸肛門機能検査と肛門超音波検査の正常範囲を,性別および年齢階層別に調べることであり,具体的には肛門管内圧,直腸バルーンによる直腸知覚,肛門超音波検査上の肛門括約筋の長さと厚みの3項目を評価・測定する. 「研究実施計画」便失禁や便秘の症状を有しない20~89歳の日本人を対象とし,10歳ごとに7階層に分け,各層から3年間の研究期間の合計として男女15人ずつ合計210人を目標とする. 「研究の成果」日常診療に加えて本研究のための被検者による検査件数増加に備えて,肛門内圧測定用カテーテルを1本購入して2本体制にしたが,肛門に関係する検査に対する羞恥心のためか被検者の集積が全く進まず,平成22年度中の症例は0人であった.症例集積目標を,3年間の研究期間で各年齢層から男女10人ずつ合計140人に下方修正し,平成22年度の被検者への謝金予算を平成23年度に繰越して平成24年3月に新聞広告を大々的に行った結果,平成23年度は13人が集積出来た.また新聞広告が効を奏して,平成24年4月1日現在で約100人が検査を予定して待機中である.現在の状況を勘案すると,平成22~24年度の3年間で合計140人の症例集積は可能と思われ,平成22年度の実質的成果は皆無であったが,元来3年間の長期計画であり,平成24年度終了時点では本研究の目的を達成出来,学会・論文発表を通じて研究成果を社会に還元出来ると確信している.
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