2010 Fiscal Year Annual Research Report
類洞内皮細胞を標的とした肝硬変治療薬の創薬-肝線維化の細胞学的機序に関する研究
Project/Area Number |
22591507
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
富川 盛雅 九州大学, 大学病院, 准教授 (60325454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤星 朋比古 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (20336019)
家入 里志 九州大学, 大学病院, 講師 (00363359)
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Keywords | 肝硬変 / 肝線維化 / 類洞内皮細胞 / EndMT |
Research Abstract |
【研究の目的】 心臓の線維化には、血管内皮細胞の線維芽細胞への変容(endothelial-to-mesenchymal transition ; EndMT)が関与している可能性が示されている。類洞内皮細胞を多く含む肝臓においても、EndMTが肝線維化の機序の一翼を担っているとの仮説を立てた。その仮説を動物実験により証明すると共に、肝硬変に対する新たな治療薬を開発する糸口を見つけ出すことを目的とする。 【マウス肝硬変モデルにおけるEndMTの検討】 Tie2-Cre,CAG-CAT LacZダブルトランスジェニックマウス(Tg_LacZ mice)を譲り受けた。Tg_LacZ miceを使用し、内皮細胞由来の細胞がEndMTにより間葉系の細胞へと性質が変容し、肝線維化に何らかの役割をはたしているのかどうかを以下の項目において検討した。 (1)Tg_LacZ miceより類洞内皮細胞を遠心分離法により採取し、LcaZの発現を確認した。 Vitroの実験において、EndMTの主なmediatorと考えられているTGF-βの刺激により、EndMTが実際に起こる現象を捉えた。 (2)Tg_LacZ miceを用い肝硬変モデル(四塩化炭素12週投与)を作成し、肝線維化の過程でEndMTが誘導されるかどうかを検討した。LacZは内皮細胞だけではなく、免疫細胞(Kupffer細胞、リンパ球など)にも多く発現することが分かった。肝臓を採取する際に生食で還流し、LacZを同定するための免疫染色を試みたが、Xgal染色では染み込むように染色されるため二重染色には不適切と考えられ、β-galactosidase (β-gal)による染色も試みたが、発現が弱く、適切な抗体を探し出すことができなかった。そこで、感度特異度共に高くなると考えられるTie2-Cre, CAG-CAT GFPダブルトランスジェニックマウス(Tg_GFP mice)を熊本大学分子遺伝学 尾池雄一教授より譲り受ける予定としている。
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