2012 Fiscal Year Annual Research Report
世界初の高血圧性誘発モデルによる大動脈解離の分子病態解明と臨床病態マーカーの開発
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22591535
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 明 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30528469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 恭子(今中恭子) 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00242967)
吉村 耕一 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00322248)
青沼 和隆 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10375488)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | B型大動脈解離 / テネイシンCノックアウトマウス / バイオマーカー |
Research Abstract |
B型大動脈解離における血清テネイシンC値: B型大動脈解離42症例に対して、入院時、1週間、2週間、1ヶ月毎に、血清テネイシンC値、hs-CRP、D-ダイマー、FDPを測定し、CTによる解離評価を行なった。大動脈解離症例では、血清テネイシンC値が有意に上昇し、1週目がピークとなり、1ヶ月後に正常域に戻った。また、1週後の血清テネイシンC値は、hs-CRP、D-ダイマー、FDP、解離部位の最大動脈径と正相関し、死亡例は有意に高値であった。血清テネイシンC値が、B型大動脈解離の短期予後を予測する有用なバイオマーカーであることを論文印刷中である。 マウス解離モデルの分子病態:TN-Cノックアウトマウスの腹部大動脈周囲(腎動脈下)に高濃度CaCl2を塗布し、アンジオテンシンIIを持続投与すると4週間以内に腎動脈上部の下行大動脈に解離を生じた。TN-Cは正常部位ではほとんど発現せず、マクロファージ浸潤とVSMCs減少・エラスチン破壊が起こっている解離の移行部位で発現亢進していた。一方で最大拡張部位ではVSMCsを中心とする細胞成分や、エラスチン線維はほとんどなく、血管組織の正常構造が破壊され、TN-C発現が逆に低下していた。移行部ではMMP-9も発現が亢進していたが、TN-C発現亢進部位は主にVSMCsと重複し、一方でMMP-9発現亢進部位は主にマクロファージ浸潤と重複していた。LacZをノックインしたTN-Cレポーターマウスでは、6週間後の解離径、組織変化は、野生型マウスと同等であった。無処置コントロール群と比較して、EVG染色で中膜エラスチン構造の破壊、TN-C染色で中膜のTN-C発現を認めた。β-gal染色にて中膜が染色され、さらにαSMAとの二重染色を行うとαSMA陽性細胞が同時にβ-galも陽性となり、マウス大動脈解離壁のTN-C産生細胞はVSMCsであることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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