2010 Fiscal Year Annual Research Report
重症心不全大動物モデルを用いた幹細胞治療基盤の確立
Project/Area Number |
22591557
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
豊田 雅士 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究副部長 (50392486)
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Keywords | 幹細胞移植 / 間葉系幹細胞 / 心不全 / 疾患モデル動物 / トランスレーショナルリサーチ |
Research Abstract |
幹細胞生物学の発展は著しく、臨床医学においては幹細胞移植という形でその応用がなされ、様々な疾患に対する治療へ期待が高まっている。これまで幹細胞移植の研究はマウスを用いた研究を基礎として、ヒト細胞での検証を行ってきており、in vivoでの実験はマウスなどの他種動物を用いている。移植法や免疫拒絶の問題、分化誘導法や移植細胞の生着率、腫瘍化など臨床で想定される課題について中長期的にわたる検証システムが必要であり、中大動物を使った実験が求められる。しかしヒトに近い中大動物においては材料である幹細胞がほとんど樹立されていない。そこで本研究ではヒトの細胞移植治療の前臨床段階としてのモデルとなるブタにおける幹細胞を樹立し、細胞移植治療に最適な規格化を試みる。さらにブタの心不全モデルブタを対象とした効率的な心筋分化誘導系の確立と移植による効果を評価するための基盤を築くことを目的とし研究を遂行する。 22年度は、ブタ組織由来の幹細胞の樹立・安定培養系の確立を試みた。対象となる組織は、ヒト幹細胞治療としての有用なソースとして期待されている胎児付属物である胎盤、臍帯および羊膜とした。その結果、いずれの組織からも複数ラインの細胞を樹立できた。現在これら細胞の増殖性、細胞表面抗原解析を進め、ヒト細胞との比較検証を進めている。 一方、疾患モデルとしてのブタ心不全モデル動物の作製を試みた。その結果、心不全モデルブタの作製法を確立し、幹細胞移植医療の臨床応用を見据えた移植実験プロトコールの作成に至った。現在心機能評価の適正化を図るための指標について検証を進めている。
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Research Products
(5 results)