2011 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージ遊走阻止因子制御による腱・靱帯組織の修復促進に関する研究
Project/Area Number |
22591673
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
遠山 晴一 北海道大学, 大学病院, 准教授 (60301884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 和則 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20166507)
小野寺 伸 北海道大学, 大学院・医学研究科, 客員准教授 (00359481)
近藤 英司 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60374724)
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Keywords | マクロファージ遊走阻止因子(MIF) / 創傷治癒 / 靭帯 |
Research Abstract |
(1)10週齢のMIFノックアウト(MIFKO)マウス36匹と野生型(WT)マウス36匹を使用し、両側膝関節内側に1cmの縦切開を加え,マイクロ用メスを用いて内側側副靱帯を鋭的に全層切離した.両群において、MCL損傷作製した後3,7,14,28日目にそれぞれ3匹ずつ屠殺し、MCLを採取しRNA抽出を行った。これらRNAを逆転写した後、TNF-α,VEGF,MMP-2,MMP-9,MMP-13に対するRT-PCRを行ない、Thermal Cycler Dice Real Time Systemを用い、GAPDHプライマーをデータの標準化として定量化した。 (2)WT群ではMCL損傷後3日目で有意なMIFのmRNAの上昇を認めた(p=0.0101)。MMP-2の遺伝子発現は損傷後14日まで両群ともに次第に上昇するが、損傷後28日目ではMIFKO群はWT群と比較し有意に低値であった(p=0.014)。MMP-13の遺伝子発現レベルはWT群では損傷後7日目でピークを示し、MIFKO群に比し有意に低値であった(p<0.0001)。VEGFのmRNA発現はWT群では損傷後28日目で上昇しMIFKO群のVEGF遺伝子発現に比し、有意に高値であった(p<0.0001)。TNF-αとMMP9に関しては両群に有意差を認めなかった。 (3)前年度までの研究にて研究者らはMIFKOマウスはWTマウスと比較しMCL損傷損傷後28日目で有意に力学特性の低下することを明らかにしている。さらに組織学的評価ではMIFKOマウスは長期にわたりMCL損傷後の治癒組織は肥厚し、新生血管も少なく、細胞密度の増加を認めていた。以上の知見と本年度の剛Pの遺伝子発現の結果結果から、MIFKOマウスのMCL損傷後の治癒遅延はMMP-2とMMP-13の遺伝子発現の低下により起こったことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
力学的試験の技術的失敗により力学評価に必要な標本数が予定より弱干不足していることを除き、概ね順調に伸展している。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の不足分の標本数を追加し、論文作成を行ない、国際学会での成果発表および国際学術誌への投稿を予定している。
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Research Products
(4 results)