2011 Fiscal Year Annual Research Report
脳虚血再灌流時の吸入麻酔薬による脳保護作用とアンドロジェンの役割
Project/Area Number |
22591705
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
内田 昌良 岐阜大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (10362146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 宏樹 岐阜大学, 医学系研究科, 教授 (30159561)
飯田 真美 岐阜大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (80350859)
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Keywords | 神経保護 / 虚血再灌流 / プレコンディショニング / アンドロジェン / 吸入麻酔薬 / 酸化ストレス / 喫煙付加 / エストロジェン |
Research Abstract |
周術期脳虚血、及び脳梗塞の発症は術中診断が困難であるばかりか、致命的でもあり、その予防と対策は麻酔管理上非常に重要である。一般的に脳梗塞の発症頻度には性差が認められており、女性は男性よりも低い。エストロジェンがこの機序に強く関与していることが示唆されているが、作用機序に関しては未だ完全には解明されていないものの、血流改善を介する作用や、エストロジェンレセプターα、βを介したタンパク質転写制御による神経保護作用が示唆され数多くの報告がなされている。これに対しアンドロジェンの脳虚血における作用はほとんど解明されていない。一方、吸入麻酔薬によるプレコンディショニングによる脳保護効果がオスにのみ認められ、メスではみられないという報告もあり、脳虚血における保護作用に性差がみられる可能性がある。吸入麻酔薬であるイソフルランおよびセボフルランとアンドロジェンとの相互作用を検討することを目的とした。虚血再灌流後の脳軟膜動脈内皮機能を評価するため、Sprague-DawleyラットMCAOモデルにおいて頭蓋内有窓を作成し、虚血再灌流前後の中大脳動脈領域における脳軟膜動脈の各種麻酔薬による反応性、二酸化炭素応答を評価する予定であったが、ラットMCAOモデルと頭蓋内有窓の併存は体位の関係で困難であり、変更したため(Buchan AM, Stroke1992;背臥位で頸部腹側正中切開し、総頸動脈を露出結紮後、頬骨弓の2-3mm吻側にドリルで穴をあけ直視下に中大脳動脈を露出クリップで閉塞・再灌流)、虚血モデルを実験系の確立に時間を要したため、本年度はモデル確立と共に同様の血管内皮機能障害を起こす喫煙負荷モデルでイソフルランおよびセボフルランと同様のATP-sensitive K channel開放の作用を持つニコランジルの脳血管内皮機能温存効果を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
腹臥位での脳虚血・再灌流がナイロン糸によるものでは安定しないので、脳虚血のモデルを変更した(Buchan AM, Stroke 1992)。
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Strategy for Future Research Activity |
虚血・再灌流モデルとウインドウ法の併存を確立し、まず脳血管内皮保護効果を性ホルモン(アンドロジェン)投与で確認した上で、以後の実験に取り組む予定である。
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Research Products
(20 results)