2012 Fiscal Year Annual Research Report
急性肺傷害に対する一酸化炭素吸入の治療効果と抗炎症作用の解明
Project/Area Number |
22591730
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
高橋 徹 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (40252952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 潔 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40108171)
清水 裕子 岡山大学, 医学部, 研究員 (80423284)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 急性肺傷害 / 出血性ショック / 炎症 / 抗炎症性シグナル伝達 / 一酸化炭素 / IL-10 / PPAR-γ / 酸化ストレス |
Research Abstract |
肝臓移植、心臓大血管手術などの大手術では手術中、予期せぬ大出血が起こりショックに陥ることがある。このような出血性ショックに対して、輸液・輸血により蘇生は可能であるがその後、全身性に炎症反応が惹起されその結果好中球が肺に集積する。活性化された好中球より発生する活性酸素は肺上皮細胞を破壊し急性肺傷害(ALI)が発生する。ALIに対しては人工呼吸療法などにより肺が酸化的障害から回復するのを待つ保存的療法は存在するが適切な抗酸化療法は未だ確立されていない。一酸化炭素(CO)は猛毒ガスであるが、極低濃度では抗炎症作用・抗アポトーシス作用を介して細胞保護的に働くことが報告されている。申請者らは平成22年度及び23年度の研究においてラット出血性ショック誘発ALIモデルを用いて出血性ショック蘇生後に極低濃度のCO吸入させるとALIが改善することを明らかにし、その機序として炎症性メディエーターであるTNF-α、iNOS mRNAの発現抑制、アポトーシス細胞であるactivated caspase-3陽性細胞、TUEL陽性細胞数の減少が関与することを報告した。平成25年度の本研究ではCOによるALI改善効果のメカニズムを抗炎症性シグナル伝達の観点からさらに検討した。その結果、蘇生3時間後、抗炎症性サイトカインIL-10 mRNAの発現と抗炎症作用に関与する転写因子PPAR-γの発現はショック蘇生により上昇し、COの吸入はそれらの発現をさらに増加させた。以上より、出血性ショック後の極低濃度のCO吸入の治療効果にはCOの抗炎症性シグナル伝達の増強が関与していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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