2011 Fiscal Year Annual Research Report
間質性膀胱炎の病態における膀胱上皮由来伝達物質に関する研究
Project/Area Number |
22591786
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本間 之夫 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (40165626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野宮 明 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30372379)
西公 寛明 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60251295)
藤村 哲也 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50376448)
桝水 浩一 東京都健康長寿医療センター, 病院, 医員 (10404352)
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Keywords | 間質性膀胱炎 / 膀胱機能 / 動物モデル |
Research Abstract |
平成23年度は、引き続き(1)尿中の伝達物質の測定、(2)ヒト間質性膀胱炎膀胱粘膜組織における伝達物質の発現の検討を行ってきた。尿中の伝達物質の測定は、尿の保存状態、測定条件など種々の因子によって同一のサンプルであっても測定結果が変わることが今年度に判明し、尿中マーカーの測定には相当厳密な条件設定が求められていることが判ってきている。今後、尿中伝達物質の測定に関しては、更なる検討を行っていく。また、組織における伝達物質の発現の検討は、膀胱粘膜組織の免疫染色など組織学的検討を終えており、24年度中にデータを解析し、学会発表する予定である。 動物実験では、当初予定していた浸透圧ポンプを用いたCyclphosphamideモデルは持続投与に伴う副作用で致死率が高く、モデルとしての実用性に乏しく、またProtamineモデルでは長期間浸透圧ポンプ内に溶液があることでProtamineの析出・管閉塞がおこり、やはりモデルとしての再現性に乏しいことがわかった。そこで、本研究では、CycloPhosPhamide、Protamineモデルをそれぞれ従来どおりの方法で作成し検討を進めている。いずれも長期に炎症が持続せず、間質性膀胱炎のような慢性炎症性疾患のモデルとしては適していない可能性が本研究でわかり、今後の研究課題であると認識している。23年度中にヒト膀胱組織同様にモデル動物膀胱の組織学的検討を終えており、24年度に各種機能検査を行い、これらの結果をまとめて論文発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物モデル作成実験は順調に進捗しているが、尿中マーカーの測定については、条件設定が困難を極めており、測定系の確立に時間を要している。CXCL10、NGFについては、条件が整いつつあるが、間質性膀胱炎と健常例との比較が十分になされておらず、これらは平成24年度の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
間質性膀胱炎は、原因がわからず、また現在疾患の状態を定性・定量的に評価できるマーカーが存在しないのが現状である。 本研究では、尿中マーカーの測定において系の確立に難渋しているが、問題点を一つ一つ解決しつつあり、CXCL10、NGFなど一部のマーカーについては再現性のある測定系が確立されつつある。 今後は、これらのマーカーでの測定ノウハウを活かして、系の確立を進めていく。
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Research Products
(8 results)