2011 Fiscal Year Annual Research Report
マクロライドによる「ステロイド減量効果」と難治性副鼻腔炎の新しい治療法の研究
Project/Area Number |
22591901
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
松根 彰志 日本医科大学, 医学部, 教授 (00253899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吾妻 安良太 日本医科大学, 医学部, 教授 (10184194)
大久保 公裕 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10213654)
砂塚 敏明 北里大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (30226592)
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Keywords | 難治性副鼻腔炎 / マクロライド / ステロイド / プライミング効果 |
Research Abstract |
難治性副鼻腔炎の代表例である、好酸球性副鼻腔炎に対して、現時点で明らかな有効性が認められている治療薬はステロイドのみである。しかし、ステロイドの長期(内服)連用は、胃潰瘍、易感染、満月用願望、骨粗鬆など多くの副作用が認められる為、できれば使用を減らしたい薬剤である。本疾患で、マクロライドは従来の慢性副鼻腔炎と異なり無効である。しかし、培養細胞を用いた検討でマクロライドがステロイド作用を増強する可能性を認めたため、鼻噴霧用ステロイドの局所治療に、14員環マクロライドであるクラリスロマイシンの内服を併用することが維持療法として有効であることが期待された。そこで、術後プレドニンの漸減療法の後、鼻噴霧用ステロイドに変更し、クラリスロマイシン200mg/日併用の効果を臨床的に検討している。プレドニンの内服を復活させなくても、鼻茸の再発が認められず経過が良い症例も認められるが、症例の蓄積が予定より進んでいないため、もう少し症例が増える中で検討をする必要がある。鼻副鼻腔炎と下気道慢性炎症との関連、アレルギー性鼻炎の影響についても、これまでの症例の蓄積や、実験室での鼻茸組織の培養実験データをもとに、本研究との関連性を中心に文献的調査、考察を行い論文発表を行うことができた。今後もこうした、周辺領域の研究成果や実験データも参考しつつ、ステロイドとマクロライドについての副鼻腔炎領域における相乗的な有効性について検討を進めていく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
好酸球性副鼻腔炎の症例数が十分にのびていない。
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Strategy for Future Research Activity |
他の医療機関にも協力を呼びかけて症例の蓄積ができるだけ増加するように努力する。また、得られた症例由来の細胞培養系を用いた検討を強化して、症例による検討がやや不十分な場合でも、有用な検討結果が得られるよう努力する。
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Research Products
(8 results)