2011 Fiscal Year Annual Research Report
空中浮遊微生物(真菌、黄色ブドウ球菌)による好酸球性副鼻腔炎の発症とその病態解明
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22591904
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
松脇 由典 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60287290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大櫛 哲史 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (50317939)
中山 次久 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (50408431)
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Keywords | 真菌 / alternaria / アレルギー / サイトカイン / 気道上皮 / 慢性鼻副鼻腔炎 / プロテアーゼ / 好酸球炎症 |
Research Abstract |
[背景]慢性副鼻腔炎の発症メカニズムあるいは少なくとも増悪因子として真菌が関与していることが示唆されている.また我々は真菌Alternariaがヒト分離好酸球に対して活性化および脱顆粒を直接誘導することを証明し,さらにAlternariaが分泌するAspartate proteaseがこの自然免疫反応の起因物質であること,好酸球表面に発現するProtease-Activated Receptor-2(PAR-2)を介してこれら免疫反応が惹起されていることを明らかにした.今回我々は真菌Alternariaに対する気道上皮細胞のサイトカイン・ケモカイン産生および細胞内カルシウムシグナルについて検討した.[方法]気道上皮細胞は、ATCCよりBEAS-2BおよびCalu-3を購入し使用した.刺激には真菌Alternaria culture extract(Greer Lab, USA)を使用しGM-CSF,IL-5,IL-6,IL-8,eotaxin,eotaxin-2産生および細胞内カルシウム濃度([Ca2+]i)の変化について検討した.[結果]Alternariaは、有意にGM-CSF,IL-6,IL-8を産生し,同時に[Ca2+]iの上昇を誘導した.これらの反応はPAR-2のアンタゴニストであるLSIGKVおよびAspartate proteaseのインヒビターであるPepstatin-A,ATBIなどにより有意な抑制効果を認めた.[結論]Alternariaが分泌するAspartate proteaseがPAR-2を介してヒト気道上皮細胞に対しGM-CSF,IL-6,IL-8産生を誘導し,好酸球炎症を増悪させる一因を担っている可能性が示唆された.Aspartate proteaseあるいはPAR-2をtargetとした新たな治療戦略の可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上記の研究成果を国際学会14th IRS & 30th ISIANにて発表した。また同内容をInt Arch Allergy Immunol 158 Suppl 1:19-29に投稿しアクセプトされた。
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Strategy for Future Research Activity |
仮説「空中浮遊微生物由来抗原(真菌由来抗原、黄色ブドウ球菌由来スーパー抗原)は好酸球性副鼻腔炎の発症・病態に関与し、好酸球炎症の誘導に寄与する」これらの仮説を明らかにするべく本研究を遂行する。慢性鼻副鼻腔炎鼻茸中の真菌および黄色ブドウ球菌由来エンテロトキシン特異的IgE抗体の役割について研究をすすめる。ほぼ研究結果は出ており、統計学的解析を行い結果の考察を行う。これらの内容を国際学会に発表し、アレルギー関連の英文誌に投稿する予定である。
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Research Products
(25 results)