2010 Fiscal Year Annual Research Report
ケラチン12ー蛍光タンパク質レポーターを用いた角膜上皮細胞への運命決定機構の解析
Project/Area Number |
22591966
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
吉田 悟 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (50398781)
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Keywords | 角膜上皮 / ケラチン12 / 幹細胞 |
Research Abstract |
本研究では、(1)マウス角膜上皮細胞由来の細胞株に、K12遺伝子発現制御下で発現する蛍光レポーター遺伝子を組み込んだ細胞株を作製し、これを用いて(2)角膜輪部線維芽細胞にK12・PAX6陽性角膜上皮細胞へと分化誘導する活性があることを確認し(3)胚発生期のK12の発現が始まる前後のマウス水晶体あるいは角膜実質に、K12・PAX6陽性角膜上皮細胞へと分化誘導する活性があることを明らかにすることを目的としている。本年度は、まず、K12レポーターコンストラクトを導入した上皮細胞株の作製を行った。マウスK12遺伝子を含むBAC(Bacterial Artificial Chromosome)クローンを元に、K12遺伝子プロモーター下にDsRedを挿入したレポーターコンストラクトを作製し、このコンストラクトをマウス角膜上皮から樹立したTKE2細胞株に導入し、抗生物質によりコンストラクトが実際に導入された細胞の選択を行った。RT-PCR法で確認したところ、TKE2株では、K12の発現は失われてしまっていた。そこで、薬剤処理により強制的にK12プロモーターを動かし、DsRedの赤色蛍光が認められることを確認した。さらに、クローニングディスクを用いてレポーターコンストラクトが染色体に組み込まれた安定株の選択を行った。次に、ヒト角膜輪部線維芽細胞を用いた分化誘導の確認を行うため、参考論文に従い、角膜輪部の線維芽細胞と角膜中央部の線維芽細胞を培養し、培養上清を得た。また、マウス毛包からのインテグリンα6陽性の幹細胞の分離に先立ち、インテグリンα6陽性細胞を多く含むマウス脾臓より細胞を採取し、抗体の選択を含めたFACSを用いたインテグリンα6陽性細胞分離の条件検討を行い分離条件を確立した。これを元に今後の研究を進めることが出来るという点で、得られた成果は有意義である。
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