2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591978
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
神山 雅史 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20403074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼井 規朗 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (30273626)
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Keywords | 再生医療 / 機能的層構造 / 気管軟骨 / 細胞積層化 / 細胞シート工学 / Tissue engineering / Cylindrical cartilage |
Research Abstract |
小児において広範囲の気道を再生気管で補うためには、非分解性素材を用いずに、十分な骨格強度を保ちうる気管軟骨を再生させるとともに、異物を排除するための気管粘膜上皮を再生させることが必要となる。そこで本研究では、種類の異なる細胞を層状に培養する目的で開発された細胞積層化技術を応用して、外層に繊維芽細胞層、中層に軟骨細胞層、内層に円柱繊毛上皮層という機能の異なる層構造を有する細胞シートを作製したうえで、これを我々が開発したin vitroにおける回転培養法で円筒状の機能的構造体とし、さらにこれを自家移植により生着させて、広範囲の自己気管を再生気管によって置換することを最終目的とする。家兎より皮下組織、耳介軟骨、鼻粘膜を切除して、これよりそれぞれ繊維芽細胞、軟骨細胞、円柱繊毛上皮細胞を採取し、継体して細胞数を増やしたのち、ECMフィルム(CellFeuille[○!R])を用いて、繊維芽細胞層(単層)、軟骨細胞層(多層)、の二層構造からなる細胞シートを作製した。円柱繊毛上皮細胞層(単層)の細胞シートは、培養条件等の調整に時間を要し、現在培養シートを作製しており、このシートが作製でき次第、繊維芽細胞層、軟骨細胞層、円柱繊毛上皮細胞層の三層構造からなる細胞シートが作製できる予定である。この三層構造シートをシリコンチューブ周囲に巻いて回転培養を行い、機能的層構造を保持したままの円筒状構造体をin vitroで再生する。 本法によって機能的層構造を有した気管の再生が可能となれば、小児のように広範囲の気管を再生気管によって置換する治療法への道が開かれると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
円柱繊毛上皮細胞層(単層)の細胞シートの作製にあたり、その採取手技、培養条件等の調整に時間を要しており、現在培養シートを作製中である。機能的層構造を有する気管には上皮細胞層が必須であり、早急にこの作製を完了させる。
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Strategy for Future Research Activity |
円柱繊毛上皮細胞層(単層)の細胞シートを早急に作製し、次いで繊維芽細胞層、軟骨細胞層、円柱繊毛上皮細胞層の三層構造からなる細胞シートが作製する。この三層構造シートをシリコンチューブ周囲に巻いて回転培養を行い、機能的層構造を保持したままの円筒状構造体をin vitroで再生する。 また、これを自家移植してその細胞の機能が維持されているかどうかを評価検討するとともに、自己の気管を再生気管で置換する実験を行う。 軟骨シートの自家移植実験では軟骨基質の変性による物性強度の低下を確認しており、自家移植実験では成長因子などを有効に作用させるために、b-FGFやIGFなどを用いて機能的層構造の維持を試みる予定である。
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Research Products
(5 results)