2010 Fiscal Year Annual Research Report
ペグを用いたバイオフィルムの抗菌薬抵抗性遺伝子の探索
Project/Area Number |
22592040
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
三宅 洋一郎 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (80136093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弘田 克彦 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (60199130)
根本 謙 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10218274)
小野 恒子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40035514)
村上 圭史 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10335804)
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Keywords | バイオフィルム / 抗菌薬抵抗性 |
Research Abstract |
本研究では、バイオフィルム形成菌での、抗菌薬抵抗性メカニズムの解明を目的として、抵抗性に関与する遺伝子を網羅的に解析する事を目標としている。従来、バイオフィルム形成菌が抗菌薬や消毒薬に対し、抵抗性を示すメカニズムとして、バイオフィルムによる、バリヤー効果で、薬剤が内部に浸透出来ないためであると考えられて来た。しかしながら、近年、薬剤がバイフィルム内部に到達しているという報告が成されるようになり、単純な浸透阻害だけではない、別のメカニズムの可能性が示唆されているものの、具体的な報告例はほとんどない。そこで、我々は、トランスポゾンを用いて、網羅的な解析をスタートした。 平成22年度は、トランスポゾン変異株、約1000株のスクリーニングを行った。抗菌薬は、緑膿菌に対し優れた抗菌活性を示すカルバペネム系抗菌薬に着目し、その中のビアペネムを用いた。その結果、3株のビアペネム抵抗性の低下した株が得られた。その中の1株はバイオフィルム形性能がやや低下していたが、残りの2株は、バイオフィルム形成能はほとんど低下しておらず、抵抗性だけが親株に比べ約1/10~1/100に低下していた。これらの株について、ゲノムDNAを精製し、トランスポゾン挿入部位を決定する事に成功した。これらの遺伝子の詳細な機能については、現在解析中である。 また、緑膿菌は、遺伝子を約3000個保有しているため、最低3000個の変異株についてスクリーニングを行う必要があるため、現在、更なるトランスポゾン変異株を作製と、そのスクリーニングを行っている最中である。
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Research Products
(4 results)