2011 Fiscal Year Annual Research Report
ぺグを用いたバイオフィルムの抗菌薬抵抗性遺伝子の探索
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22592040
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
三宅 洋一郎 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (80136093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弘田 克彦 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (60199130)
根本 謙 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10218274)
村上 圭史 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10335804)
小野 恒子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40035514)
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Keywords | 緑膿菌 / バイオフィルム / 抗菌薬抵抗性 |
Research Abstract |
バイオフィルム感染症は慢性化しやすく、難治性であることから、臨床的に問題となることが多い。これまで、バイオフィルムに対し、抗菌薬を用いても充分な効果が得られない原因について、バイオフィルムによるバリヤー効果のため、内部まで薬剤が浸透しないためであると考えられていたが、最近の知見では、内部にまで到達していることが報告されている。そこで、新たなメカニズムとして、抗菌薬抵抗性が注目されているものの、その詳細はほとんど明らかになっていない。 申請者らはバイオフィルム形成菌での抗菌薬抵抗性メカニズムを明らかにするために、トランスポゾン変異株のライブラリーを作成し、抵抗性に関与する遺伝子を網羅的に解析する事を目標とする。平成23年度は、関与する遺伝子のスクリーニングとトランスポゾン挿入部位の決定を完了する計画をしていた。 平成22年度は、約1000個の変異株についてスクリーニングを行い、その中から抵抗性の低下した株を3株見出したが、平成23年度は、更に6000株のスクリーニングを行い、その結果、8株の抵抗性の有意に低下した株を見出すことが出来た。 更に、それらの合計11株について、トランスポゾン挿入部位の決定を行い、それらの遺伝子を決定した。同一遺伝子内にトランスポゾンが挿入されていた株が2株見つかったことから、最終的に9個の遺伝子が、バイフィルム形成菌での、抗菌薬抵抗性に関する遺伝子であることが明らかとなった。今後はこれらの遺伝子の役割について解析を行って行く予定にしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、トラセスポゾンライブラリーを用いたスクリーニングを継続して行い、その結果、約7000株について抵抗性試験を行った。また、得られた11株について、全てトランスポゾン挿入部位の遺伝子配列を決定しており、概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は更なるスクリーニングを継続して行うと同時に、これまでに明らかとなった9個の遺伝子の解析を中心に研究を進めて行く予定である。具体的には、これらの遺伝子のih-frame欠損変異株を作製し、その抵抗性について検討するとともに、リアルタイムPCRを用いて、これらの遺伝子のバイオフィルム内での遺伝子発現についても、解析を行う予定にしている。また、より生体環境に近いとされる、フローセルバイオフィルムシステム系を用いて、視覚的に、バイフィルム内の細菌の生き残りについて評価を行う予定にしている。
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Research Products
(1 results)