2011 Fiscal Year Annual Research Report
組織工学を用いた接着性レジン上に歯周組織再生を伴う垂直破折歯根接着治療法の開発
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22592108
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 佐織 北海道大学, 大学病院, 助教 (90344522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅谷 勉 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (10211301)
宮治 裕史 北海道大学, 大学病院, 講師 (50372256)
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Keywords | 象牙質含有レジン / BMP-2 / 培養細胞シート / 接着性レジン / セメント質再生 |
Research Abstract |
これまでの基礎的研究により、象牙質含有レジン上にはわずかにセメント質形成が観察され、レジン上に歯周組織再生の可能性があることを見出した。この可能性は、骨誘導を強力に促進するBMP-2と多量の歯根膜細胞が存在すれば、さらに高めることができると考えられる。本研究は、象牙質を含有する4-META/MMA-TBBレジンにBMP-2と培養歯根膜細胞シートを応用し、レジン上に歯周組織再生の実現を目的として行われるものである。生体親和性が良好である接着性レジンセメントに同一個体から得られた象牙質を粉末にして混合し、作製した象牙質含有レジン上へセメント質再生を促進させる方法を採用し、骨様硬組織誘導能をもつBMP-2を塗布した象牙質含有レジンに大量の歯根膜細胞を供給することにより再生を促進させることを期待して行うものである。そこで、細胞の流失を最小限に抑制するために、細胞シートを作製し移植法を採用する。 23年度は、F344ラット(6週齢)の歯根膜を採取し、細胞シートを作製した。象牙質含有レジンをEDTAで脱灰後にrhBMP-2を塗布、細胞シートで被覆しラット皮下に埋入した。H-E染色で顕微鏡観察したところ、著明な炎症は見られなかったが、周囲に線維の被包が観察された。硬組織形成はほとんど観察されなかった。さらに象牙質含有レジンをEDTAで脱灰後にrhBMP-2を塗布、ヌードマウス皮下に埋入した。その結果、BMP-2のみ塗布した象牙質含有レジン周囲には硬組織形成は観察されなかった。現在、BMP-2を塗布した象牙質含有レジンを細胞シートで被覆し、ヌードマウス皮下に埋入した組織標本を作製、観察中である
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1:歯根膜細胞培養中に細胞が死滅したため、細胞シートの作成に遅延が生じた2:採取できる細胞が少ないため、細胞が増殖しない事例があった。3:組織標本で線維の被包が観察された。シートで被覆したが、BMP-2が根面に十分に付着しづらく、細胞が付着・増殖できなかった可能性がある
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Strategy for Future Research Activity |
細胞の採取を行いやすいラット骨髄細胞を培養し、細胞シートを作製する。それを用いて、ヌードマウスの皮下に埋入し、骨様組織の形成や周囲の細胞動態を観察し、再生の可能性を探る。BMP-2を根面に十分に付着させ、細胞を大量に供給するために、コラーゲンスポンジなどのスキャフォールドの導入を検討している
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Research Products
(2 results)