2011 Fiscal Year Annual Research Report
Er,Cr:YSGGレーザーを用いた窩洞形成と接着性の改善による歯冠修復法の確立
Project/Area Number |
22592130
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
新海 航一 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (90147843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海老原 隆 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (40287777)
鈴木 雅也 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 講師 (10409237)
加藤 千景 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 助教 (00459926)
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Keywords | Er,Cr:YSGGレーザー / レーザー切削 / 切削面の微細構造 / 熱変性層 / スミヤー層 / リン酸処理 / NaClO処理 |
Research Abstract |
Waterlase[○!R] MD Turbo hand pieceを用いてヒト抜去大臼歯の頬・舌側面に窩洞形成後、3種類の方法で切削面の処理を行い、SEM観察およびアザン染色により無処理のものと比較検討した。レーザーの照射条件(切削条件)は3.0W;20Hz(50.96J/cm^2/p),75%Water,85%Airとした。 SEM観察の結果、窩洞形成直後のエナメル質切削面にはエナメル小柱が露出された像と一部にエナメル小柱が溶融したような像が認められた。また象牙質切削面ではスミヤー層がなく、開口した象牙細管が認められた。37%リン酸処理(30秒間)後のエナメル質切削面は鱗片状エナメル小柱と微細な凹凸を呈し、象牙質切削面では象牙細管がロート状に開口していた。37%リン酸処理(30秒間)後に10%NaClO処理(90秒間)を行ったエナメル質切削面はリン酸処理後と類似しており、象牙質は残存した管周象牙質が突出しているような像がみられた。セルフエッチングプライマー処理(20秒間)後のエナメル質は微細な凹凸を呈し、象牙質はわずかに突出したような管周象牙質がみられた。 アザン染色によりEr,Cr:YSGGレーザー切削面には熱変性層の存在が確認された。この熱変性層はリン酸処理およびセルフエッチングプライマー処理では除去されなかったが、リン酸処理後に10%NaClO処理を行った場合に除去された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
SEM観察によりレーザー切削歯面の微細構造を明らかにできたが、TEM観察による超微細構造の解明に関してはまだ手つかずの状態である。また、EPMAによる切削面の歯質構成元素の分析を実施できなかった。さらに、熱変性層の詳細な組織化学的分析ならびに除去方法に関しても十分な検討がなされなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
レーザー切削面のTEM観察、EPMA分析に関しては、やはり専門技師の指導を受けることが必要である。今後、学内あるいは学外の専門技師の指導を仰ぎ、的確な研究成果を出すように努力したい。また、本研究計画に対する研究人員の不足を感じているため、今後の研究推進のために大学院生の研究協力を得る予定である。
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Research Products
(4 results)