2010 Fiscal Year Annual Research Report
分子イメージングとバイオマーカー探索による慢性筋痛の局所病態解析
Project/Area Number |
22592151
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小野 剛 岡山大学, 病院, 医員 (80457225)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 賢治 岡山大学, 病院, 講師 (20304313)
水口 一 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30325097)
松香 芳三 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90243477)
窪木 拓男 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
|
Keywords | 筋筋膜疼痛 / 慢性筋痛 / 筋組織内血流 / 血流 / 筋活動 / 咬筋 / 僧帽筋 / PET |
Research Abstract |
我々は,以前,近赤外線分光法を用いて慢性筋痛を訴える被験者の有痛筋組織内では,筋作業や交感神経活動亢進時の筋組織内の血管拡張機能が低下している所見を得た.さらに分子イメージング技術であるPositron emission tomography (PET)を用いて,筋組織のエネルギー源であるグルコースの取り込み量を僧帽筋に慢性筋痛を訴える被験者の僧帽筋と,非筋痛者の僧帽筋内とで比較した結果,筋痛者の僧帽筋組織内のグルコース取り込み量が非筋痛者のそれに比較して有意に抑制されることを明らかとした.これらの知見から更に慢性筋痛の病態を明らかとすることを目的に,筋組織内代謝と組織内血流の相互関係に着目した.相互関係を明らかとするためには,グルコース代謝の指標となる18F-FDGと,血流の指標となる150の筋組織内取り込み量をPETでダイレクトに測定することが有効と考え,150ガスをプローブとして実験に用いる手法の確立を目指して予備的検討を行っている.その一方で,150ガスを用いた血流動態評価が技術的な問題等で困難な場合に備え,血流の絶対量が測定可能な近赤外線分光計(オメガモニターBOM-L1 TR W)を用いて測定する血流動態測定の予備的検討も同時進行させている.加えて,最近,PETを用いた実験的研究で虚血のマーカーとして最近着目されている64Cu-ATSMを研究に用いることが可能かどうかも含めて検討中である.さらに,動物を対象としてPETを用いた基礎研究を開始することも考慮にいれ,理研分子イメージングセンターの研究者にコンタクトを取り準備を開始した.採択決定が11月となり,今年度の実質的な研究期間が3ヶ月と短かったため,実際の研究データの採取は来年度行う予定である
|