2010 Fiscal Year Annual Research Report
歯原性腫瘍の病態解析およびRNAi法やアンチセンス法を用いた遺伝子治療の開発
Project/Area Number |
22592220
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
二宮 史浩 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教 (10346801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 泰孝 九州大学, 大学病院, 講師 (60205151)
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Keywords | 歯原性腫瘍 / RNAi / アンチセンス / 遺伝子治療 / 角化嚢胞性歯原性腫瘍 |
Research Abstract |
1、歯原性腫瘍の病態解析:手術によって摘出した組織の一部をパラフィン包埋し、連続切片を作成して免疫染色やin situ hybridizationを行い、IL-1αやKGFが発育増大に強く関与していることが確認出来た。発育増大に関わるその他の因子についても調べているところである。また、組織の一部を培養して得た培養上皮細胞および培養線維芽細胞を用いて、その他の発育増殖因子や抑制因子について調べているところである。 2、アンチセンスの作成:IL-1αやKGFが嚢胞上皮細胞の増殖に大きく関与しており、これらのmRNAが放出されると、それぞれのreceptorにくっつき、核内に情報が伝達されて細胞の増殖がおこる。これらのIL-1αやKGFについてはそのreceptor特有の塩基配列がすでに解っているので、レセプターと同じ塩基配列を持つアンチセンスを作成中である。これらは合成オリゴDNAで作成する事も可能であるが、コストがかかるため、E.Coli(大腸菌)に組み込んで繁殖させてアンチセンスを作成している。しかし、現在その導入率が低いため、導入効率を上げるべく、各種条件を変えながら最も良いアンチセンスの作成を行っている最中である。IL-1αやKGF産生細胞の近隣にこのアンチセンスを投与することで、IL-1αやKGFが細胞内のそれぞれのreceptorにくっつく可能性がほとんどなくなることが期待できる。このようにしてIL-1αやKGFの働きを無効にする事で発育増殖を妨げる事が可能となる。この状態では核内に情報が伝達されず、細胞増殖がおこらない。したがって腫瘍の増殖能を制御出来ることにつながる。
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