2010 Fiscal Year Annual Research Report
歯根膜血管組織の遺伝子発現様相から効率的な歯の移動を評価する研究
Project/Area Number |
22592301
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
野田 晃司 鶴見大学, 歯学部, 講師 (10148059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 芳樹 鶴見大学, 歯学部, 教授 (10097321)
新井 千博 鶴見大学, 歯学部, 助教 (10460221)
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Keywords | 歯の移動 / 断続的矯正力 / 歯根膜 / 免疫組織化学 / VEGF / FGF-2 / 血管組織 |
Research Abstract |
予備実験において、スクリューを用いた実験的矯正装置により歯の移動を行った結果、圧迫歯根膜の発現部位と圧迫様相にばらつきが認められたため、その代替法として、上顎第一・第二臼歯間にオーリングを挿入し歯の移動を行った。この方法によりばらつきのない安定した歯の移動を行うことができた。本法による歯の移動では、歯の移動後3日目までに歯根膜の圧迫様相が認められ、5日目以降では歯根膜の拡張が認められた。これらの結果を踏まえ、本研究課題では圧迫歯根膜血管組織に発現する遺伝子を網羅的に解析することを主目的としていることから、その実験群を歯の移動後1、3、6、12時間(h)、1、3、5、7日間(d)の8群に変更し、近心根近心歯根膜の圧迫領域を中心に同歯根膜幅径の1/3および2/3に圧迫された領域について、成長因子であるVEGFおよびFGF-2の検出を免疫組織化学的に行った。 VEGFの発現について、3h、6h、12h実験群の近心根近心歯根膜圧迫領域では対照群と比較して瀰漫性にわずかな染色強度の増加が認められたが、1/3、2/3圧迫領域との間に差は認められなかった。強拡大観察では、実験および対照群歯根膜の血管周囲に反応細胞が少数認められた。その他、破骨細胞、macrophage様細胞、骨髄細胞にも局在が認められた。FGF-2の発現について、3h、6h、12h、1d、3d実験群の近心根近心歯根膜圧迫領域では対照群と比較して瀰漫性にわずかな染色強度の増加が認められたが、VEGFと同様に1/3、2/3圧迫領域との間に差は認められなかった,強拡大観察では、対照群の血管周囲に反応細胞が少数認められたのに対し、実験群では血管周囲の他、圧迫領域全体に散在的に認められ、明らかに対照群より多かった。その他、破骨細胞、macrophage様細胞、骨髄細胞、歯髄細胞に局在が認められた。
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