2010 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病関連歯周炎の病態指標としての歯肉溝滲出液中オステオポンチンの意義と有用性
Project/Area Number |
22592314
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
堀部 ますみ 徳島大学, 病院, 助教 (50346615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 俊彦 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10127847)
稲垣 裕司 徳島大学, 病院, 助教 (50380019)
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Keywords | 糖尿病 / 歯周炎 / 歯肉溝滲出液 / オステオポンチン |
Research Abstract |
平成22年度は、糖尿病ラットに惹起させた実験的歯周炎における歯周病の病態とオステオポンチン(OPN)の局在について中心的に実験を行った。はじめに糖尿病状態であることを確認するために、実験群のOLETFラット(糖尿病群)と対照群のLETOラット(非糖尿病群)の体重、空腹時血糖値、HbAlc値を測定した結果、いずれも糖尿病群で有意に高い値が認められた。次に上顎第2臼歯結紮により実験的歯周炎を惹起させ、結紮20日後に同部のマイクロCT観察を行うと、両群とも結紮による歯槽骨吸収が認められたが、とくに糖尿病群では根分岐部が露出する著しい歯槽骨吸収像が認められ、糖尿病群では非糖尿病群の約1.4倍の歯槽骨吸収率を示した。さらに組織切片分析では、結紮側において歯周組織の破壊や炎症性細胞浸潤が両群とも同様に認められた。OPNの免疫染色では、結紮20日目において、歯肉結合組織にOPNの局在が明瞭化しており、とくに糖尿病群ではOPNの発現が上皮直下から結合組織全体に広がっており、炎症の局在と類似していた。以上の結果、ラットにおける実験的歯周炎では、糖尿病群において歯周炎の進展とともに歯槽骨の吸収が著明に増加し、さらに歯周組織の炎症と破壊に伴ってOPNが強く発現することが明らかとなった。これとは別に、糖尿病ラット由来の頭蓋骨由来骨芽細胞におけるBone Nodule形成能、および歯周病患者の歯肉溝滲出液中のOPN量に関する実験を行ったが、予備実験(測定のための条件設定など)に終始したため、平成23年度に継続して行うこととした。
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Research Products
(3 results)