2013 Fiscal Year Annual Research Report
病床における擬似的森林環境によるリラックス反応の評価に関する研究
Project/Area Number |
22592361
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
柳 奈津子 群馬大学, 保健学研究科, 講師 (00292615)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 看護 / 感覚環境調整 / 擬似的森林環境 / 自然映像 / 香り / 自然音 |
Outline of Annual Research Achievements |
視覚、聴覚、嗅覚へ働きかけるような積極的な環境調整を行うことが、患者のリラックス反応を引き出すことができるのかを明らかにすることを目的とした。環境調整の方法や、データの測定は前年度と同様に実施し、データ数を増やすことを目指した。13名の患者の協力を得て視覚、聴覚、嗅覚へ働きかけるような環境調整を行う実験群、安静のみで特に介入を行わない対照群とした。実験群においては、継続的な効果についての評価を行うため繰り返し実施した。分析は、前年度データと合わせて行った。実験群において、環境調整の実施前に比べて、実施後に心拍数の減少(p=0.006)、唾液中コルチゾール濃度の低下(p=0.007)、唾液中分泌型免疫グロブリンA濃度(s-IgA)の上昇(p=0.041)を認めた。心拍変動解析においては、変動はあったものの有意差はなかった。主観的指標においては、気分を評価する尺度POMS短縮版において、「緊張-不安」が有意に低下した。その他の5因子において有意差はなかった。一方、対照群においては、安静後にs-IgAの上昇を認めた(p=0.028)が、その他の指標において有意に変化したものはなかった。実験群において、実施の後に患者から語られた言葉を分析したところ、すべて肯定的な表現であった。「良い」が最も多く使われ、全例の語りの中に含まれていた。「良い」に関連するものとして「かおる」「気分」「山」「音」「映像」などが多かった。具体的には、「自然の音がいい」「ほのかな香りが良かった」など調整した環境に対する評価、「気持ち良かった」という心理的な評価が多かった。その他には「落ち着いた」「昔を思い出した」などであった。反復による効果については、明確な変化はなかった。 擬似的な森林環境を演出し、感覚器に働きかけるような環境調整は、リラックス感を導き出すということが生理的、主観的指標から明らかになった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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