2011 Fiscal Year Annual Research Report
状況論的アプローチを用いた新卒看護師の病棟社会化を促すストラテジーの開発
Project/Area Number |
22592401
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
グレッグ 美鈴 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (60326105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重松 豊美 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 講師 (50315321)
林 千冬 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (60272267)
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Keywords | 新卒看護師 / 病棟社会化 / 状況論的アプローチ / ストラテジー |
Research Abstract |
本研究は、新卒看護師が病棟へ社会化すること(病棟社会化)を促す病棟で使えるストラテジーの開発を目的としている。平成23年度は、次年度に病棟社会化促進ストラテジー実施を予定している病院の労働環境を把握するための調査を行った。測定尺度は、米国の研究所(Health Sciences Research Associates)で開発されたThe Essentials of Magnetism IIで、労働環境の健全さや魅力、生産性を測定する質問紙である。この質問紙は、米国の63マグネットホスピタルと13のその他の病院の調査により、8評価プロセスと2結果変数が明らかにされ、得点によりマグネットプロファイル、マグネットを目指すプロファイル、非マグネットプロファイルに分類される。8評価プロセスは、教育への支援、看護師と医師の関係、臨床的自律性、看護実践管理、人材配置の適切性の認識、臨床実践に有能な同僚との仕事、看護師長の支援、患者中心の文化的価値観であり、結果変数は、専門職としての労働満足感とケアの質の評価である。バックトランスレーション、開発者との協議を行い、日本語版を作成した。 ストラテジー実施予定病院を含む3病院のスタッフ看護師および主任を対象に郵送法による質問紙調査を実施した。回収率は22.4%、35.8%、74.9%と開きがあった。ストラテジー実施予定病院は、臨床的自律性、看護実践管理、人材配置の適切性の認識、看護師長の支援の4領域ではマグネットプロファイルであった。その他の1病院では、教育への支援がマグネットプロファイルであったが、それ以外の違いは見られなかった。専門職としての労働満足感とケアの質の評価においては、ストラテジー実施予定病院は、非マグネットプロファイルであった。病棟別の結果では、7病棟が高得点病棟に、7病棟が低得点病棟に分類された。これらの結果も用いて、1病棟でのストラテジーの開発に着手する準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ストラテジーの作成を終了する予定であったが、ストラテジー実施病棟における病棟社会化の現状と課題の明確化からストラテジーの開発に向かうことにしたため、平成23年度はストラテジーの作成ではなく、開発の前段階となる情報収集に終わった。そのため当初の計画より、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
病棟社会化の現状と課題の話し合いからストラテジー開発を行う病棟の選定が終わっており、現時点では特に問題点はない。今後、研究協力病院および病棟とのコミュニケーションを密に取り、研究を推進する予定である。
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Research Products
(2 results)