2012 Fiscal Year Annual Research Report
看護師の日常の看護ケアに潜む「やわらかい暴力」の顕在化に関する研究
Project/Area Number |
22592407
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Research Institution | Seinan Jo Gakuin University |
Principal Investigator |
岩本 テルヨ 西南女学院大学, 保健福祉学部, 教授 (80285444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 愛子 山口県立大学, 看護栄養学部, 教授 (10285447)
小田 日出子 西南女学院大学, 保健福祉学部, 教授 (30309992)
梶原 江美 西南女学院大学, 保健福祉学部, 講師 (00389488)
小野 聡子 西南女学院大学, 保健福祉学部, 助教 (20610702)
末光 順子 西南女学院大学, 保健福祉学部, 助手 (60593572)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 看護師 / 看護ケア / やわらかい暴力 / 患者への対応 / 看護倫理 |
Research Abstract |
看護師の日常の看護ケアに潜む「やわらかい暴力」を顕在化する目的で、患者を対象に実施した看護師の対応に関するインタビューの内、分析未終了の逐語録の分析を行うとともに、新たに患者の対応に関する看護師の意識を探るために看護師を対象に患者への対応に関するインタビューを実施した。調査は、西南女学院大学倫理審査委員会の承認を得て行った。 患者データ(逐語録)を質的に分析した結果、変形性股関節症患者(22)においては、4カテゴリー【ケアされる存在になる】【あなたでよかった】【組織の取り決めを優先して関わっている】【ケアする人とは思えない】が抽出された。さらに、慢性疾患患者(10名)では、【頼りたいけど、自分でなんとかするしかない】【尊重されていない】【看護師への願い】等の5カテゴリーが抽出された。これらの内、【組織の取り決めを優先して関わっている】【ケアする人とは思えない】【頼りたいけど、自分でなんとかするしかない】【尊重されていない】【看護師への願い】カテゴリーは、看護ケアにおける「やわらかい暴力」の内容を示唆するものと考えられる。 また、看護師データを質的に分析した結果、集中ケア看護師(13名)においては、【人としてみることを意識しないと忘れてしまう】【感情に左右される】【業務に追われて対応できない】【プラスにもマイナスにもなるチーム力】等の17カテゴリー、勤務経験8年以上の一般病棟看護師(7名)においては【業務・効率を優先させてしまう】【節度を守れない】【感情的に対応してしまう】【未熟な技術を提供してしまう】【安全を優先し、安楽まで配慮できない】等の12カテゴリーが抽出された。これらの結果から、看護師の患者への対応に影響を及ぼす要因に労働・職場環境、看護に対する姿勢・資質が考えられ、それらが看護ケアにおける「やわらかい暴力」を生じさせる要因となっている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)