2012 Fiscal Year Annual Research Report
中堅看護師の「倫理的悩み」に関する実態および倫理支援システムの構築
Project/Area Number |
22592415
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮脇 美保子 慶應義塾大学, 看護学部, 教授 (10263493)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒見 隆信 佐賀大学, 医学部, 教授 (30150410)
宮林 郁子 福岡大学, 医学部, 教授 (40294334)
谷垣 靜子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (80263143)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 中堅看護師 / 病院 / Ethical distress |
Research Abstract |
平成24年度の研究実績の概要は、下記のとおりである。 1.中堅看護師を対象に、「倫理的悩み(Ethical distress)」について、インビュー調査を実施した。詳細なデータ分析は終了していないが、現時点における結果の概要は、次の通りである。中堅看護師は、自身の看護実践を通して「患者の尊厳を損なう」「自分の都合を優先する」「制度的管理と制約がある」「患者のケアを省略する」「公平さを欠く」「誠実さを欠く」といった倫理的悩みや道徳的苦悩を経験していた。それは、患者に対する最善の看護を提供できなかったこと、とるべき選択肢がわかっていたにもかかわらず、別の行動をとってしまったことに対する自身の迷いや意志の弱さを悔やむ「語り」であった。 2.倫理コンサルテーションに関する我が国の実情と今後の課題について、関連学会等において情報収集と意見交換を行った。倫理コンサルテーションに関しては、研究と医療現場における倫理的問題に分けることができるが、特に医療現場におけるニーズは高く、倫理コンサルテーションを行うための人材育成と組織づくりが急務である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「中堅看護師の 『倫理的悩み』に関する実態および倫理支援システムの構築」に関し、インタビューによる調査はほぼ終了しておりおおむね達成した。倫理支援システムの構築に向けては、関連する学会や団体と連携しつつ情報収集や意見交換を行い、今後の方向性も見えつつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
1) 実施したインタビューデータの分析と文献をもとにした考察を深め、11月に米国で 開催される国際学会で報告するとともに論文発表のための準備を行う。 2) 倫理支援システムの構築に向けて、関連学会や団体との連携をとりながら具体的に 人材育成の在り方などについて検討し、プログラム作成などに着手する。
|