Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩脇 陽子 京都府立医科大学, 医学部, 准教授 (80259431)
滝下 幸栄 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (10259434)
市橋 則明 京都大学, 医学研究科, 教授 (50203104)
青山 宏樹 藍野大学, 医療保健学部, 助教 (20568399)
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Research Abstract |
妊婦の安全で効果的な歩行を明らかにすることを目的に,妊婦の歩行動作の変化を運動学的に測定し分析した. 対象は,説明書による説明を行い,承諾の得られた20歳以上の妊娠5~9か月の正常な妊婦3名及び褥婦5名である.時期・回数は,妊娠5~9か月までの期間,4週毎に5回,及び産後1年以内に1回である.方法は三次元動作解析,床反力,筋電図を同期させて行った.又,健康女性1名を対象として妊婦体験ジャケット着用の有無別に同様の測定を行った. 以上より得られた結果を関係学会に報告した. 1.妊婦の安全な歩行生成に向けた基礎的研究 歩行周期各相における妊婦の筋活動の特徴 妊婦,非妊婦,模擬妊婦(妊婦体験ジャケット着用の非妊婦)を比較した結果,妊婦・非妊婦は模擬妊婦に比べて歩行時の駆動力,衝撃緩衝面において,安全かつ効果的に筋肉を活動させていた.徐々に体型が変化する妊婦の場合は模擬妊婦の様に急激に体型変化があった場合に比べ,衝撃をうまく吸収し,駆動力を生じさせるよう筋は効果的に使用されていることが示唆された. 2.妊婦の歩行動作の変化に関する縦断的研究 妊娠経過別に歩容の変化では,妊娠15週と比べ妊娠23週は歩行速度が遅くなり,片脚支持期が短縮していた.妊婦は,腹部の増大に伴い姿勢が不安定になり,増加した体重を片足で支えることが困難になる.歩行速度の低下や片足支持期の減少は,移動の安定性を保つための代償機能であると示唆された. 3.妊婦の歩行動作の変化に関する縦断的研究 歩行速度による変化 歩行速度別に妊娠15週と妊娠23週の歩行を比較すると,通常歩行は両足支持期変化無・片足支持期減少,速い歩行は両足支持期減少・片足支持期増加,遅い歩行では,両足支持期減少・片足支持期変化無であった,通常速度において妊婦の歩行は妊娠経過に従い安定した歩容に適応していたが,それ以外の歩行,特に速い歩行は不安定であることが示唆された.
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