2011 Fiscal Year Annual Research Report
小児救急医療におけるトリアージナース教育支援プログラムの開発に関する研究
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22592518
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
西村 あをい 順天堂大学, 医療看護学部, 先任准教授 (60352689)
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Keywords | 救急医療 / トリアージ / トリアージナース / 質的評価 / CTAS / 救急外来 / 救急認定看護師 / 小児救急認定看護師 |
Research Abstract |
1.平成23年度研究の具体的内容 【背景】小児救急医療において始まったわが国の院内トリアージは、診療報酬の改定(平成22年度)やCTAS(Canadian Triage and Acuity Scale)の国内導入により注目が高まり、最近では成人患者を含めた救急患者全般のトリァージを実施する施設が急増している。その一方で、トリアージの標準化や事後検証、トリアージナースの教育や技能向上など、トリアージの質的評価に関する実態は明らかでない。そのため平成23年度は、院内トリアージを導入している施設の救急外来看護師を対象にして、その実施状況やトリアージナース教育に関する調査を実施した。【調査目的】救急外来におけるトリアージ実施状況・評価方法について現状を明らかにし、評価システム構築への一助とする。【対象と方法】救急認定・小児救急認定看護師が所属する440施設を対象にアンケート調査を実施した。【結果】回収数155部(回収率35.2%)、そのうちトリアージを実施していると回答したのは75施設(48%)であった。このうち、ほぼ全例でトリアージを実施しているのは28施設(37%)であった。ガイドラインを有する施設は52施設(69%)で、内訳は自施設作成のガイドラインが36施設(48%)、CTAS/JTASプロトタイプ16施設(21%)であった。事後検証を実施していた施設は29施設(39%)にすぎず、実施施設の14施設は定期的な検証を行っていなかった。各施設が抱える課題としてはトリアージ実施へのマンパワー不足が最も多く、次にトリアージナースの養成や能力向上等その教育方法に関する内容であった。 2.本調査の意義と重要性 トリアージ実施の推進と共に、そのアウトカム及びトリアージナース養成に関する課題が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の目的は、全国の小児救急医療の現場にトリアージシステムが導入され、トリアージナースが本来の役割を遂行するためにはどのような教育支援プログラムが必要なのか、その開発を行うことである。しかし、今年度はトリアージの評価システム構築を目的とした調査を実施したため、トリアージナース教育を支援するプログラム開発に関する内容への着手には至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成22年度には小児救急患者を対象としたトリアージ加算が診療報酬に導入されたが、平成24年度からは、その対象は成人救急患者にも拡大することが決定した。これによって院内トリアージの必要性は小児救急患者のみならず全患者に及び、今後、院内トリアージを導入する施設はさらに増加するのではないかと考える。また、平成22年度から国内に導入されつつあるCTASのガイドラインもトリアージの対象は、小児と成人両者を対象としている。そのためトリアージナース養成に関しても、小児患者だけを対象とした教育支援プログラムで良いのかを検討する必要性が生じているため、平成24年年度は本研究に取り組む専門職を集めた会議等などで相談していきたいと考えている。
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Research Products
(1 results)