2010 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症とその家族への心理教育による相乗効果の研究
Project/Area Number |
22592598
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
内山 繁樹 横浜市立大学, 医学研究科, 准教授 (80369404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池邉 敏子 横浜市立大学, 医学部, 教授 (70184447)
若狭 紅子 横浜市立大学, 医学部, 教授 (10279705)
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Keywords | 統合失調症 / 心理教育 / 家族 / リカバリー |
Research Abstract |
本研究は,エビデンスに基づいたプログラムIMR(Illness Management and Recovery: 疾病自己管理とリカバリー)とFPE(Family Psycho Education: 家族心理教育)を同時期に実施することで,各々のリカバリーに向けての相補的・相乗的な効果を明らかにすることを目的とする縦断的介入による評価研究である。リカバリーは,精神に障害を持つ方々がそれぞれの自己実現やその求める生き方を主体的に追求するプロセスである。対象は,ポスターにて公募を募った。外来通院をしている20歳以上の統合失調症の患者6名がIMRに、またその家族8名がFPEを受講した。データは、IMRとFPEプログラム全体の実施前-実施中(中間)-実施後にアンケート調査を実施する。尚,各プログラムの実施頻度,回数は次の通りである。IMRは、90分/1回/週,計18回。FPEは、2時間/2回/月,計8回である。方法は、精神科に通院中の統合失調症患者3名にIMRプログラムを集団形式で実施した。評価は実施前後に,機能の全体的評価(GAF)と簡易精神症状評価尺度(BPRS),SF-36健康調査票(SF-36),生活満足度スケール(LSS),地域生活に対する自己効力感尺度(SECL),利用者満足度調査票(CSQ-8)を用いて行った。またインタビュー調査ではプログラムに参加することでの変化,役だった点,困難だった等についてプログラム後に行った。 【結果】GAF(+9~+13),BPRF(-2~-13)およびSECL(日常生活と対人関係において),CSQ-8(平均点:25.7点)に改善傾向が見られた。インタビュー調査ではリカバリーゴール設定とそのゴールに向けたスモールステップの実践が大きな動機付けにつながったと強調された。尺度による全体評価とともに,インタビュー調査によってよりプログラムのどの段階や内容に効果があるのかが明らかになることから、今後の実践と体調者の語りによる評価が重要であることが示唆された。
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Research Products
(5 results)