2012 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄における痛覚過敏メカニズムの神経活動イメージングによる解析
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22600005
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
池田 弘 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80377473)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 痛覚過敏 / 膜電位イメージング / カルシウムイメージング / アストロサイト |
Research Abstract |
グリア細胞がニューロンと同様に神経伝達物質を放出する機能を持っていること、受容体が膜上に存在することが明らかとなり、記憶や学習の研究を中心に、神経情報処理に積極的に関わっていることがわかってきた。本研究は、痛覚過敏におけるグリア細胞の役割を明確にすることを目的とした。 プリン受容体の作動薬であるATPおよび代謝型グルタミン酸受容体の作動薬であるDHPGを投与して脊髄後角でのカルシウムイオン動態を解析した。実験の結果、SR101で標識された細胞は、持続時間の長いカルシウムシグナルを示し、SR101で標識されなかった細胞は、持続時間の短いスパイク状のシグナルを数回示すという特徴が見られた。また、コントロールマウスに比べ、末梢組織に炎ATPに対してカルシウムシグナルを示す細胞がSR101陽性細胞で有意に増加していた。しかし、個々の細胞のカルシウムシグナルの振幅の大きさ、持続時間の長さについては変化が見られなかった。SR101非標識細胞のカルシウムシグナルについては、振幅の大きさ、持続時間の長さおよび反応を示した細胞の数のいずれも差は見られなかった。また、カルシウムシグナルを示した細胞の数は、ATPの受容体のうちのP2X7受容体の阻害薬であるBrilliant Blue Gによって有意に減少したが、その他のATP受容体の阻害薬であるPPADSでは変化が見られなかった。次に、感作にこのようなアストログリアの変化が関与しているかを調べた。実験の結果、膜電位イメージングによって計測される神経興奮の遅い成分が、正常マウスに比べて、痛覚過敏マウスで増大していた。また、痛覚過敏マウスの神経興奮の遅い成分はBrilliant Blue Gによって、49%まで減少した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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