2012 Fiscal Year Annual Research Report
横浜における異文化表象に関する研究とその展示・教育普及のあり方
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22601008
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
井上 由佳 文教大学, 国際学部, 講師 (90469594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎野 信雄 文教大学, 国際学部, 教授 (50206041)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 横浜 / 異文化表象 / 町づくり / 文化施設 / ミュージアム |
Research Abstract |
昨年度の研究実施計画に示した通り、2013年8月26日に一般公開シンポジウム「『日本・』『西洋』イメージと発信地ヨコハマ」をヨコハマ創造都市センターを会場に実施した。当日は累計で70名ほどの参加者が集まった。 スピーカーを外部の大学等の研究機関等から9名招聘し、それぞれの見地から、横浜におけるイメージ表象の歴史的意義ならびに現代の横浜におけるハマらしさをテーマに活発な議論が行われた。 当日は、第1セッション「『日本』イメージの発信地としてのヨコハマ」、第2セッション「『西洋』イメージの発信地としてのヨコハマ」はというタイトルで進められた。この両セッションは本研究の初年度である平成22年度に定期的に開催した横浜における異文化表象研究会での成果をもとに、新たに外部の研究者からの意見交換を交えながら活発な議論がなされた。横浜に残された横浜写真といった歴史的資料、産業遺産、文化遺産などを総合的に分析し、その意義を異文化表象という視点から検討し、その成果を市民に還元することができた。 第3セッションは一般の人々が参加することを想定して企画したもので、テーマを「古き横浜における(ハマらしさ>とは」と設定した。このセッションでは、前半に市民を巻き込みながら、その地域の歴史や文化を前面に押し出す町づくりで成功を収めている長野県小布施町からセーラ・マリ・カミングス氏を招き、小布施での町おこしとそれが横浜にどのような示唆を与えるかを中心に話してもらった。そして後半は、横浜で古くからある会社の経営者や横浜在住の作家などをパネリストとして、パネルディスカッションを行った。ここでは午前中に行われたセッションでの議論を踏まえた上で、今、横浜で生活している私たちに何ができるかを議論し、盛況であった。 組織の枠を超えて研究者が共同研究を行い、その成果を一般に公開するという目的が達成できた年度であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者の育児休暇に伴う一年のブランクがあるものの、研究会は継続され、その成果を公開シンポジウムで報告することができたことで、研究は順調に進んでいる。シンポジウムであがってきた論点をさらに深め、最終年度ではインターネットでの情報発信も含めた媒体で、成果を整理し発表していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
横浜における異文化表象については、さらに海外(主にヨーロッパ)に残されている関連資料を収集することで、さらに広い見地から本研究のテーマについて検討を進めていきたい。また、博物館等の横浜の地域に点在する文化施設が横浜の歴史や文化財をどのように生かして町づくりに関わっていくのかについても調査を進めることを検討している。
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