2013 Fiscal Year Annual Research Report
横浜における異文化表象に関する研究とその展示・教育普及のあり方
Project/Area Number |
22601008
|
Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
井上 由佳 文教大学, 国際学部, 講師 (90469594)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎野 信雄 文教大学, 国際学部, 教授 (50206041)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 横浜 / 異文化表象 / 展示評価 / 教育普及 / ミュージアム |
Research Abstract |
平成25年度は本研究の完成年度にあたり、大きくわけて二つの研究活動に取り組んだ。 一つ目は、これまでの研究成果をもとに新たな視点から欧州にて資料収集し、それをもとにイメージ表象史の観点から分析したことである。具体的には欧州地域において、17世紀以降、日本ならびにアジアのイメージがどのように流布したのかを分析するために、現存する当時の王侯貴族が収集した陶器の装飾に着目した。数多くある装飾の中でも「貴婦人と傘をもった従者」の構図に注目し、オランダで原画が書かれ、陶器に装飾されたモチーフが中国そして日本に伝わった際に、貴婦人が「花魁」として描かれていることが判明した。綺麗で華やかな女性=江戸期の日本では花魁が象徴的であったことが伺える。当初の構図とは別の解釈が加えられ、そのモチーフの陶器が逆輸出されるされたようであることがわかった。このことから、陶器という工芸品の交易を通じても異文化の理解と同時に誤解も生まれていたことが指摘された。 二つ目は上記の研究成果を公開する場として、シンポジウムを開催した。そこでは研究成果を教育普及の視点から考案した展示を行い、来場者の研究への理解そして「知的な変化」を生み出すための工夫を施し、来場者アンケートからその評価を行った。ここでいう知的な変化とは、情感的な「楽しい」「つまらない」といった反応ではなく、「もっと知りたい」「今後も考え続けたい」といった次なる知的な行為へのきっかけにこの展示がなりえたのか、という視点での評価を試みた。その結果、展示への工夫については、教育普及担当者と研究担当者双方の展示の方向性へのコンセンサスが不可欠であることがわかった。知的な変化に関する評価としては、展示とシンポジウムの講演の両方を通して、取り上げられた研究成果への理解が深まったことが判明したが、次なる行動への影響についてはさらなる検証が必要と認識されるに至った。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(3 results)