2011 Fiscal Year Annual Research Report
イオン・レーザービーム融合プロセスによるナノシリコンの構造制御と光機能素子の試作
Project/Area Number |
22604002
|
Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
岩山 勉 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (70223435)
|
Keywords | 量子ビーム / 量子ドット / シリコン / ナノ材料 / 光機能デバイス / 可視発光 / イオン注入 / 半導体ナノ結晶 |
Research Abstract |
シリコンは現代の繁栄の礎である。このようなシリコンは太陽電池や光検出器などの光電変換素子としては実用化されているが、発光素子としては熱望されながらも実用化されてはいない。本研究は、この様なシリコンの新機能性の発現・高効率化とそのデバイス応用を融合プロセスにより達成しようとするものである。私たちは、半導体プロセスで多用されているイオン注入法を用いてバルクシリコンとは特性の異なる可視発光シリコンナノ結晶を生成する手法を世界にさきがけて開発した。本研究は、この手法と急速加熱、エキシマUV光、電子線照射等を組み合わせた手法でプロセスの低温化、発光強度増強、発光波長制御の可能性などを探ることを目的としている。 この目的を達成するため、シリコン基板上の熱酸化膜にシリコンイオンをイオン注入したものを試料として用い、赤外線急速加熱、エキシマUV光照射、電子線照射等などを併用し、その効果・有効性を構造評価、物性評価の両面から進め、シリコンナノ結晶の基礎物性を解明し、ナノシリコンからの可視発光の機構を明らかにするとともに、その実用デバイス応用の可能性を探った。また、シリコンイオン注入と他のプロセスを機能的に組み合わせることで、欠陥生成・消滅、析出、拡散、核生成・成長、結晶化プロセスを自在に制御することを試みた。今年度は特に、(1)プロセスの低温化、(2)発光強度の増強のためのレシピの作成、という2つのテーマを設定し研究を展開した。 その結果、イオン注入した試料へのUV光照射により、界面状態、欠陥等を制御することが可能であり、さらに、電気炉による高温熱処理前にUV光照射や急速ランプ加熱処理を行うことで発光効率が1桁ほど向上することがわかった。処理条件により、欠陥生成・消滅、拡散、核形成、結晶成長プロセスなどが複雑に変化し、その結果、微細構造も変化し、発光強度が変化するものと考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画において、3つの基本的な目標を設定した。それらのうち、2つについては、ほぼ予想通りの結果を得ることができ、残りの目標を達成するための準備が完了した。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画の最終年度に当たるため、残りの目標プラスアルファを達成し、次年度以降の予算獲得につなげられる研究成果をあげる。
|
Research Products
(3 results)