2012 Fiscal Year Annual Research Report
銅置換によるアルミナ・カルシア系エレクトライド結晶の高導電化とそのメカニズム解明
Project/Area Number |
22605004
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
田中 功 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (40155114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 雅則 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (10512478)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | アルミン酸カルシウム / エレクトライド / 単結晶育成 / 電子スピン共鳴 / 銅イオン / FZ法 / 固液界面制御 / 還元熱処理 |
Research Abstract |
本研究は、In等の稀少金属を用いない透明導電体や高効率電子放出材料の開発を目指して、アルミン酸カルシウム(Ca12Al14O33;C12A7)中にCu2+を置換した銅置換C12A7(Cu:C12A7)高品質バルク単結晶を育成し、その育成結晶を用いて熱処理により高伝導率のエレクトライド結晶を合成する条件を明らかにするとともに、銅置換効果を詳細に調べることでITOに匹敵する高導電体発見の手がかりを掴むことを目的としている。 平成24年度は、(1)TSFZ法よる無置換およびCu置換C12A7の高品質単結晶の育成、(2)育成単結晶のエレクトライド化条件と導電率との相関について検討した。単結晶育成に関しては、サブグレインやクラック,気泡が発生しやすいという問題があったが、加熱光源であるハロゲンランプのフィラメント形状を平板状からコイル状に変えたことにより結晶と溶融帯との固液界面の形状を凹状から凸状に反転させることができ、サブグレインのない直径15mmの大口径の単結晶を育成することに成功した。次に、エレクトライド化については、真空雰囲気中でチタン金属と一緒に1100℃,48時間熱処理することにより、無置換C12A7エレクトライドの導電率が716 S/cmに対して、Cu:C12A7エレクトライドは1890 S/cmの高い導電率を得ることができた。また、ESR測定の結果から、エレクトライド化によってCu:C12A7結晶中のCu2+イオンがCu+に還元されることが明らかになった。したがって、Cu:C12A7エレクトライドではその結晶構造中の(Ca:Cu)-Al-Oケージが導電パスとなることが導電率の向上に起因していると示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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