2012 Fiscal Year Annual Research Report
育児をめぐる迷惑意識が母親の育児不安・出生意欲に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
22610022
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中谷 奈津子 大阪府立大学, 人間社会学部, 准教授 (00440644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 美佐 高知大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (20403868)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 育児 / 社会的迷惑 / 育児不安 / 出生意欲 / 公共の場 |
Research Abstract |
昨年度実施したインタビュー調査から特に子育て当事者に関する結果のうち、公共の場に関する内容について整理し、育児に関する迷惑意識の具体的内容とその関連要因について考察した。育児に関する迷惑につながりやすい要因として、場所をとる、子どもの声や音、子ども特有の行動、危険行為などの不適切な行動があげられ、迷惑をかけやすい場所として、商業施設や公共交通機関だけでなく、マンションなどの居住空間、子どもの遊び場、歩行時の道路などもあげられた。周囲からの批判の目を気にする回答もみられ、保護者には内在化された親責任の強さがうかがわれた。迷惑回避の行動として、子どもをじっとさせるなど子ども自身の行動を制限したり、外出しない、公共交通機関に乗らないなどの親子の行動を狭める内容も指摘された。子育ての迷惑意識の形成要因としては、年齢や育児の経験、共感性といった個人的要因だけでなく、社会全体の親役割への期待の強さ、人付き合いの希薄化した社会背景などもうかがえた。本結果は、国際家政学会2012において発表している。 インタビュー調査をもとに、質問紙調査を実施した。調査対象は大阪府内の乳幼児を持つ保護者とした。保育所及び地域子育て支援センターに協力を得て調査を行い、643票の回収を得た。調査項目は、自分の育児で迷惑をかけた経験、他者の育児で迷惑をかけられたと感じた経験、育児不安、次子の出生意欲などである。結果は、配偶者や自分の親への迷惑経験、職場、公共の場においても、3~6割の保護者が他者に迷惑をかけた経験を持つことが明らかになった。 育児不安との関連については、子どもと密着した子育てをする傾向にある、生活のゆとりを感じない群において、他者の育児について迷惑に思うことが多い結果となった。また他者の育児で迷惑に思った経験がある保護者ほど次子の出生意欲も低いことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)