2011 Fiscal Year Annual Research Report
都市公園におけるこどもおよび大人の交流発生性と交流空間整備に関する研究
Project/Area Number |
22610023
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Research Institution | Aichi Sangyo University |
Principal Investigator |
矢田 努 愛知産業大学, 造形学部, 教授 (30288568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 清江 愛知産業大学, 造形学部, 准教授 (00387870)
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Keywords | 都市計画・建築計画 / こども学(こども環境学) / 都市公園 / 交流空間整備 / 遊具 / 交流発生性 / 交流発生モデル / あそび |
Research Abstract |
本研究は、こどもおよび大人の交流空間としての都市公園の実態と交流発生性の特性を解明し、交流発生性の高い公園空間の計画条件を示すことを目的とするものである。本研究の意義としては公園の交流空間整備評価指標、交流発生性評価指標の確立および交流発生要因の解明が上げられ、これにより交流発生性の高い公園空間整備のための計画条件整理ができると期待される。平成22年度(第1年度)は、交流のための空間・装置の整備状況を明らかにし、公園種別・規模および交流のための空間・装置の整備度に応じた事例を選定して利用と交流の実態解明のための調査を実施した。調査対象は街区公園23例、近隣公園5例、計28例であった。平成23年度(第2年度)は、調査集計データをもとにデータ解析を進めた。公園利用・交流実態調査(観察調査)より得られたデータにもとづく交流の構造の解析からは、積極的関与型、受動的関与型、複合型などの公園整備類型を抽出することができた。比較的限られた面積の整備である街区公園では、利用圏内の複数の公園にこうした類型を割り当てられれば、バランスある機能配置による利用価値の高い公園空間整備が可能となると考えられる。利用者アンケート調査より得られたデータの分析では、分析対象を名古屋市内の全街区公園(12か所)に拡大し、公園における交流発生要因に関わる交流の確率は利用の要因では2/3(こども)あるいは2/5(大人)、利用者の要因では3/4程度まで(大人)との推定を行った。公園利用・交流実態調査(観察調査)より得られたデータからは、さらに、交流と深く関わるこどものあそびの構造に関する解析を行い、公園整備類型は低年齢児の定点あそび型、2因子型などとしても捉えられることを明らかにした。今後、総合的なデータ解析により、公園の交流空間整備評価指標、交流発生性評価指標の確立と交流発生要因の解明に向けた検討を進めたい(平成24年度(第3年度))。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに大規模な公園利用・交流実態調査(観察調査および利用者アンケート調査)を終了し、調査データの解析を進めており、交流およびあそびの構造の解析より公園整備類型を抽出し、公園における交流発生要因に関わる交流の確率の推定ができている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)第3年度(最終年度)の研究のための研究実施計画の作成(改訂) (2)総合的なデータ解析 公園の交流空間整備評価指標、交流発生性評価指標の確立と交流発生要因の解明に向けた総合的なデータ解析を行う。 (3)交流発生性の高い公園空間の計画条件の整理 要因の定性的解釈、多変量解析の結果の解釈をもとに、交流発生性の高い公園空間の計画条件を整理する。 (4)研究成果の総合および最終報告書のとりまとめ 研究成果を総合的に分析し、最終報告書のとりまとめを行う。 (5)最終報告書の作成と印刷
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Research Products
(1 results)