2010 Fiscal Year Annual Research Report
粒子線治療時間短縮を目的とする粒子線ビーム強度高精度制御技術の開発
Project/Area Number |
22611006
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
鳥飼 幸太 群馬大学, 先端科学研究指導者育成ユニット, 助教 (90443077)
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Keywords | 加速器 / 重粒子線治療 / シンクロトロン / 医学物理 / ビーム物理 / 自動制御 / DSP |
Research Abstract |
重粒子線治療において市場展開の大きな障壁となっているものはその高額な設備費であり、治療人数の照射によって採算性を確保できるかが大きな課題になっておる。そのなかで照射時間が治療時間の大きな割合を占めることに着目し、照射時間増大の原因となっている「ビーム出力変動」を抑制するための研究を提案し実施している。平成22年度は準備段階として、実際のシンクロトロンで使用可能な、ビームと同期してパルス電圧を発生する装置の制作ならびにタイミング制御を実行するリアルタイムDSPを購入し、実機シグナルを処理できる回路制作を実施した。ビームの加速に必要な周波数は3-4MHz、加速電圧は1-10V、シンクロタイミングは8ns以下を目標とした。本装置にはシンクロトロン縦(進行方向)振動を抑制するために、シンクロトロンの縦振動を測定するためのローパスフィルタが備え付けられており、シンクロトロンのバンチモニタ信号を入力すると低域フィルタで最大1kHz程度までのシンクロトロン振動をピックアップする。これを抑制するようなフィードバック回路をDSPにプログラミングした。制御ロジックとしては発信の心配が無い1次遅れ系(PI制御)を採用しているが、リアルタイム処理が可能な利点を生かし、目標とするビーム強度や抑制強度を実時間でコントロールすることが可能である。来年度は本システムにコアを組み込み、誘導電圧を発生させるロジックの組み上げを行う予定である。
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Research Products
(6 results)