2010 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ-触媒反応場による炭素固定水素製造プロセスの高効率化
Project/Area Number |
22612002
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉本 敏司 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (70187665)
|
Keywords | 反応性低温プラズマ / メタンの高度利用 / 鉄微粒子触媒 / 燃料電池 / 地球温暖化 / ラマン散乱スペクトル / ナノカーボン |
Research Abstract |
炭素や水素を含む燃料を分解して、炭素は燃やさずに固(液)化し、水素はガス(燃料電池用)として取り出せば炭酸ガスの排出が無い、環境にやさしい発電が可能になる。そこで本研究では、放電プラズマが持つ強力な化学分解作用と良好な制御性を生かした水素ガスの新しい製造法に関する研究を行い、本年度は以下の成果を得た。 1. 既存のプラズマ反応装置に、鉄の超微粒子を直接供給するアークプラズマ装置を設置して、実験装置(解離反応装置)を構成した。鉄微粒子は、原料のメタンガスの分解反応を促進する触媒として働く。本装置の水素製造用触媒の供給法は世界的にも初めての試みである。 2. 炭素や触媒を含む固体物質を、光の散乱を用いて測定する有力な方法がある。この方法をその場(リアルタイム)で行うために、強力なレーザー光源と分光器を組み合わせた専用の組込型ラマン分光装置を開発し、基準試料の散乱光(ダイヤモンド,1332cm^<-1>)の検出で動作を確認した。 3. 反応中の気体の元素成分を精密にその場測定する差動排気付質量分析器(既設)の改造を行い、水素ガスの不要な内部吸着を低減化し、測定精度の向上を図った。 4. 分解反応後の固形物の炭素含有量の簡便な測定法として、乾留(熱分解)による測定法を採用し、実際に炭素含有物を乾留処理して炭素含有量が測定可能なことを確かめた。 以上の装置本体(1.)に測定装置(2.,3.)を付加すれば、実験後に推測していたプラズマ害触媒反応場の化学状態が実験中に把握可能となる。そして、4.の計測法から得られる補完データを含めれば、次段階に計画している反応効率の改善のための実験が円滑に進むと期待できる。
|