2011 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ-触媒反応場による炭素固定水素製造プロセスの高効率化
Project/Area Number |
22612002
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉本 敏司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70187665)
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Keywords | 反応性低温プラズマ / メタンの高度利用 / ナノカーボン / ラマン散乱スペクトル / 二酸化炭素排出削減 / 地球温暖化 / 鉄微粒子触媒 / 水素プラズマ |
Research Abstract |
天然ガスなどの燃料をそのまま燃やさずに分解し,水素成分のみを水素ガスとして燃料電池に供給すれば炭酸ガスは排出されないので,環境にやさしい発電が可能になる.そこで本研究は、強力な化学分解作用と良好な制御性を有するパルス生成放電プラズマ(インバータープラズマ)を用いた水素ガスの新しい製造法の開発を目的とし,本年度は以下に示す成果を得た。 1.鉄微粒子を付着させて加熱等の処理を行った基板を作成するとともに,それらの鉄の酸化状態をラマン散乱装置で測定して較正用データを得た.これにより,プロセス中の触媒の状態の推定が可能になった. 2.昨年度に構成した実験装置を用いてインバータープラズマによるメタンガスの分解実験を行い,水素ガス生成率,炭素堆積量などの基板温度依存性に関する実験データを収集した.その結果,堆積した炭素の固体質量は高温ほど増加し,鉄触媒による反応促進効果について詳しく確認した. 3.水素生成のプロセスモデルの改良をおこない,水素生成プロセスのエネルギー効率仮応効率)を定義すると共に,実際の水素生成実験データを当てはめるための準備を行った. 以上の結果をまとめて国際講演会PLASMA2011にて発表した.今後,次年度には,反応効率の改善のための実験と分析,そして改善法の策定を計画しており,それらが円滑に進むと期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画した実験を行った結果,一部のデータ(水素の発生率の基板温度依存性)に関して予想とかなり異なる結果が得られた.実験方法に対する点検からは特に問題点は特に見つからなかったため,隠れた因子(プラズマの分布やガスの流れ方)があると考えて検討したため.
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Strategy for Future Research Activity |
11.で述べたように1つの問題点が見つかり,追加実験を行って検証する必要がある.しかし,それ以外は大きな問題は無いので,当初の方針通りに,実験と解析をすすめることで,予定どおりに本研究の結論に達すると考えている.
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