2012 Fiscal Year Annual Research Report
21世紀の市民運動に関する文化人類学的研究-ベルリン外国人集住地区の事例
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22614011
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
森 明子 国立民族学博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (00202359)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 文化人類学 / 都市計画・建築計画 / 社会福祉関係 / 教育学 / 国際情報交換 / ドイツ |
Research Abstract |
本研究は、19世紀以来西欧を中心として近代世界を構成してきた社会原理が見直しを迫られているという認識から出発し、ベルリンの街区で都市再生プロジェクトがいかに展開しているのか明らかにしようとするものである。対象とするのは、外国人が集住するベルリンの街区で、都市再生プロジェクトに多様なエージェントが関わっていることに注目している。 平成24年度は11月から12月にかけて20日間の現地調査を行った。昨年度にひきつづき当地で展開した都市再生プロジェクトと市民の関わりについて、その過程をあとづける資料を収集した。とくにキンダーラーデン運動に焦点をあてて、その複数の関係者に詳細なインタビュー調査を行った。 キンダーラーデンとは、小規模の託児所/保育所機能をもつ装置で、地域住民の隣人関係、社会関係をいかに構築するかという問題とも密接に結びつき、都市再生プロジェクトとも直接に連続している。本研究はキンダーラーデンを運動としてとらえて、市民運動や都市再生プロジェクトの一環として検討する視点を打ち出し、冷戦時代から冷戦後にかけて、ベルリンの社会編成のあり方がどのように展開しているかを明らかにしようとしている。本年度の調査では、キンダーラーデンを実際に企画・運営している個人へのインタビューの対象を拡大するとともに、内容も深化させて行った。キンダーラーデンという実践が、運営主体によって、ひじょうに多様であり、問題意識や運営方針も異なることを具体的に明らかに示すデータを収集した。また、現地調査に先立って、6月に開催された日本文化人類学会において、昨年度までの調査をもとに分析した結果を、中間段階での研究成果として口頭発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文化人類学の研究として、事例を絞り、ミクロの視点とマクロの視点から、詳細に検討する方法をとっている。歴史的な展開を明らかにするとともに、関係者のライフヒストリーも含めた詳細なインタビューを行うことができており、収集したデータの整理、分析においても、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の変更はない。これまでの調査で得た情報を精査し、関連する情報収集をさらに進めて、厚みのあるデータを構築していくこと、その整理・分析を進めて成果公開の準備を進めることに、集中する。
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[Journal Article] Japan2012
Author(s)
Mori, Akiko
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Journal Title
Bendix, R.F. and G.Hasan-Rokem (eds.) A Companion to Folklore (Blackwell Companions to Anthropology 15)
Volume: -
Pages: 211-233
DOI
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