2011 Fiscal Year Annual Research Report
標識撤去による美的で安全な交通環境「Shared Space」に関する研究
Project/Area Number |
22615003
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
西川 潔 筑波大学, 副学長 (80114114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小場瀬 令二 筑波大学, システム情報系, 教授 (80144202)
山本 早里 筑波大学, 芸術系, 准教授 (90300029)
谷口 綾子 筑波大学, システム情報系, 講師 (80422195)
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Keywords | サイン計画 / 都市計画 / 交通マネジメント / 環境心理学 / 環境デザイン |
Research Abstract |
シェアードスペースがわが国に導入可能かどうか、昨年度に引続き、海外の事例調査を行い当また類似事例として国内でも調査を行った。また、導入の試行として筑波大学構内においてシェアードスペースを実施した。昨年度の事例調査の結果を学会において発表した。 1.シェアードスペースの事例調査 (1)リスボンでは市電と車、人が狭い道路を共有している状態について観察した。また、歩道面に施された大胆なグラフィックを調査した。一辺が10cmほどの正方形で色違いの大理石を用い、美しいパターンを路面に描いていた。(2)スペイン最大の漁港で港湾都市でもあるヴィーゴでは、旧市街を中心に歩道を車道の倍近い広さにしたり、プランターを多数配するなどして、徹底したボンエルフを援用した交通システムを整備していた。(3)ベルギーのゲントでは自転車と車の走行規制などを調査した。自転車に対しても一方通行しかできない道路があるなど把握した。 2.シェアードスペースの類似事例の調査 根室と釧路において、冠雪の度合いの違いと車速を測定した。路面が全て雪で覆われた信号機のない道路は、疑似shared spaceの空間といえる。車は徐行し、安全を目視で確かめながら進むため、速度は30~40キロ前後となる。ヒーターを入れた坂道には全く雪はなく路面は乾燥しており参考となった。今後解析を行う。 3.シェアードスペースの導入試行実施 筑波大学構内の長さ260mの道路においてシェアードスペースを援用した新たな交通環境の構築を試みた。 これは大学の交通問題である自転車問題を解決することも目的としている。車道上のセンターラインや横断歩道などの白い帯は全て消し、樹木を描いた路上マーキングを施した。また、道路両側に自転車の一方通行を促す通行帯を設け、描かれた樹木と同色とし一体感を演出した。自動車の走行速度が減少することを期待しており、来年度調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的である事例調査を実施することができた。また、研究目的である「シェアードスペースをわが国への導入する検討」について、実際に大学構内において試行をすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
シェアードスペースの試行の結果、自動車や自転車の速度の変化や走行車両数の変化、歩行者への影響などを実際に観察、測定する予定である。さらに利用者にアンケート調査などを行い影響を明らかにする。また、関連する自治体や事業者などにもヒアリングなどを行う。これらをまとめ、実際にこの試行を他の場所に展開することを念頭に、手法をまとめていく。
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Research Products
(6 results)