2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22650101
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松本 明郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (60437308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 健郎 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30209639)
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Keywords | 生物・生体工学 / 形態変化 / 酸化ストレス / バイオメカニクス / 分子生物学 / 一酸化窒素 / 血管内皮細胞 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
複数の因子が関わる細胞の形態変化の制御機構を明らかにすることを目的として,培養細胞(血管内皮細胞)を薬物(単糖)処理することにより誘導される(管腔形成様)形態変化をモデルとして検討をおこなった.本年度は主に形態変化を起こす分子機構を明らかにすることを目的として,単糖処理により生じる血管内皮細胞の形態変化に関わる遺伝子の探索をDNAチップを用いて網羅的におこない,単糖処理によっても形態変化を引き起こさない血管平滑筋細胞を対照群とすることにより,単糖処理による遺伝子発現変化と形態変化にも関与する遺伝子群の識別をおこなった.この結果,比較的少数の遺伝子群が単糖処理による形態変化に特異的に関与していることが示唆され解析方法の妥当性が示された.現在,これらの遺伝子群の発現を分子生物学的手法を用いて変化させ,形態変化へ対する寄与度を明らかにする検討を継続している. また,遺伝子発現に加えタンパク質の翻訳後修飾にも着目し検討したところ,単糖処理がタンパク質の糖鎖構造を変化させていること,さらに細胞間接着に関わるタンパク質の糖鎖構造が形態変化に先立って大きく変化することを明らかにした.また,酸化修飾の一つとして一酸化窒素を用いて細胞を処理したところ,糖鎖構造ではなく特定の膜タンパク質レベルそのものが変化し,一時的な形態変化をもたらすことも新規に見出した. 本年度の研究により得られた以上の発見より,細胞の形態変化には構造タンパク質の質的(翻訳後修飾:糖鎖修飾)・量的(タンパク質レベル変化)な変化が関与していることを示すとともに,それぞれのモデル細胞をえることができた,今後は,これらの構造変化の分子レベルでの解析と形態変化に関わる責任タンパク質の同定や機能変化の解析をおこなっていくことを予定している.
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Research Products
(13 results)